ファーウェイ、太陽光発電所用 AI盗難対策システム発売

独立電源と無線通信でどこでも設置可能

ファーウェイがこのほど、太陽光発電所向け盗難対策システムを発売した。通信装置と独立電源でどこにでも設置できるようにした。AI機能搭載カメラを採用して防犯機能を高めている。

銅の市況が高騰するなか、太陽光発電所の銅線ケーブルの盗難が多発している。盗難被害による保険金の支払額が急増し、いまや盗難被害に保険は活用できず、発電事業者は修繕費を保険で賄えなくなっている。

この状況下、PCS(パワーコンディショナ)世界大手のファーウェイ(華為技術)が太陽光発電所の盗難対策システムを発売した。自社の通信装置と独立電源に加え、シンガポール・ホロウィッツ製のAI(人工知能)機能を搭載した監視カメラでシステムを構成した。

特徴的なのは、出力535Wの太陽光パネル2枚と電源モジュール、定格放電電力3000Wのリン酸鉄リチウムイオン蓄電池2つからなる独立電源を開発しつつ、メッシュネットワーク Wi-FiとLTE対応ルータを用いて無線通信を実現した点だ。これにより、利用者は屋外の給電経路のない場所でも盗難対策システムを使用できる。

ファーウェイ法人ビジネス事業本部マーケティング&ソリューションセールス本部の張穎慧本部長は、「当社の通信技術とデジタルパワー技術を活かし、無線通信のシステムを開発しました。配線工事が不要なので、蓄電池の工事は15分で設置できます。独立電源は、満充電状態で無日照環境下約1週間の連続稼働が可能です」と説明する。

さらに同社は、犯罪の抑止効果を高めるため、現地の映像を行動認識AIで解析し、不審者の侵入を自動で検知するAI機能を搭載した監視カメラを採用。侵入者を検知すると、システムの利用者に撮影画像をメールで通知しつつ、音声による警告や発光で侵入者を威嚇する仕組みを設けた。夜間でも最大約150m先まで撮影可能な赤外線カメラとAIの機能によって、侵入者と小動物などを精度高く判別できるという。