日本エネルギー総合システム、系統用蓄電所を初稼働

出力2MW、RE100電力が運用

日本エネルギー総合システムが鹿児島県内で出力2MWの系統用蓄電所を稼働させた。グループのアグリゲータ、RE100電力が運用する。日エネはこのほか5ヵ所で開発を進めており、順次稼働させる計画だ。

太陽光発電所のEPC(設計・調達・建設)を手掛ける日本エネルギー総合システム(香川県高松市、黒淵誠二社長)は2024年6月12日、鹿児島県霧島市内で建設した系統用蓄電所を電力系統と連系させた。出力1.99MW、蓄電容量8128kWhの蓄電設備で、JEPX(日本卸電力取引所)をはじめ、需給調整市場や容量市場でも取引を始める。日エネは24年9月、グリーンエナジー&カンパニーとDMMドットコムの3社共同出資で蓄電所を保有する『合同会社霧島蓄電所』を設立、用地開発やEPC、O&M(管理・保守)を請け負う。

同社の黒淵誠二社長は、「今回は補助金を活用せず、金融機関からの融資も受けていません。事業費はすべて出資金で賄いました」としつつ、「系統用蓄電池ビジネスを展開する企業と様々な形で協力しています。協力企業とともに、実運用を通じてノウハウを蓄積していきます」と語る。

同社グループ会社のRE100電力が蓄電設備を運用する。RE100電力は日エネとともに国の実証事業に参画し、AI(人工知能)ベンチャー企業らとJEPXなどの電力取引市場の価格予測システムや蓄電設備の監視・制御システムを開発。両システムを統合した新たなシステムを本事業より実証的に使用する。現在、需給調整市場での取引を見据え、周波数を合わせる試験などを行っている。

黒淵社長は、「JEPXと需給調整市場の3次調整力②で取引し、10年内の投資回収を見込んでいます。需給調整市場の1次調整力取引も視野に入れ、短期間での回収を目指します」と説明する。

日エネは本事業を皮切りに、系統用蓄電所を開発していく予定だ。現在、全国で100ヵ所以上の系統用蓄電所の系統連系を申請中で、すでに関西電力管内と四国電力管内で5ヵ所の開発計画を進めている。

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