RE100電力 蓄電所アグリゲーション本格化
2030年1GW超へ
再エネ電力販売のRE100電力が系統用蓄電所のアグリゲーション事業を本格化する。2030年には出力換算で1GWまで運用受託規模を増やす方針だ。
太陽光発電所を建設する日本エネルギー総合システム(香川県高松市、黒淵誠二社長)は2024年6月、鹿児島県霧島市内で出力1.99MW、蓄電容量8128kWhの系統用蓄電所を稼働させた。グループのRE100電力は蓄電所の運用を受託し、JEPX(日本卸電力取引所)や需給調整市場で取引を始めている。
RE100電力の黒淵誠二社長は、「JEPX価格が安価な日中にJEPXから電力を購入して蓄電所にため、需給調整市場の三次調整力②の取引を中心に収益化を図っています」と状況を語り、「アグリゲーションの受託量を26年3月には100MW、30年には1GW規模まで増やすつもりです」と方針を語る。
もっとも、系統用蓄電事業は、初期投資額を抑えつつ、電力市場取引で収益の最大化を図るもの。取引エリアの選定や設備選びはもとより、JEPXや需給調整市場の価格を予測する技術が重要で、アグリゲータの力量次第で収益性は左右される。RE100電力は、かねてよりアグリゲーションの実証事業に参画し、知見やノウハウを高めたうえで、AI(人工知能)開発会社らと電力取引市場の価格予測システムや蓄電設備の制御システムを開発。このほど両システムを統合した新たなシステムを使って運用を受託していく。
黒淵社長は、「現在、九州では、需給調整市場の三次調整力②の価格が高いので、短期の投資回収が見込めます。今後は一次調整力取引も活用し、他のエリアでも短期の投資回収を目指し、運用技術を高めていきます」と意欲を示した。