O&M業界に革命を!afterFITの大望
「O&M業界に革命を起こす」と意気込むafterFIT。その真意とは何か。複数回に亘って同社の取り組みに迫る。
2016年に創業し、太陽光発電所のEPC(設計・調達・建設)からO&M(管理・保守)、グリーン電力の小売りまで手掛ける同社。年間売上約200億円、370名を超える従業員を抱える成長著しい企業だ。
そんな同社はいま、O&M事業に力を注いでいる。谷本貫造代表取締役は、「グリーン電力をさらに増やしていかなければならないのに、O&M業界がこのままでは極めて難しいと言わざるを得ません」と危機感を募らせ、「当社は、本気でO&M業界を変えたいと思っています」と力強く語る。
谷本代表によれば、いまのO&M業界には構造的な問題があるという。というのも、O&M会社が細かな不具合を発見すればするほど対応が増え、費用が嵩んでいく。O&M会社の利益確保の観点から、不具合が見逃されてしまうことが横行している。
こうしたO&M会社の怠慢を発電事業者が咎めない限り、O&Mの質は向上しない。不利益を被るのは発電事業者、すなわち投資家だ。発電量が想定より少なく、期待通りの収益が見込めないと判断されれば、新たな再エネ投資を呼び込めず、グリーン電力の普及が減退しかねないというわけだ。
では、あるべきO&Mとは何か。谷本代表は、「日射量計から期待発電量を求め、その値を実発電量と比較し、一致していれば問題ありませんが、乖離していれば発電所に何か問題が発生していると見て原因を調べます。このように問題が見える化されることで発電事業者は発電所のあるべき姿を把握して、問題を解決することができます。また、発電事業者側が「当たり前」の状態を理解できるようになると、O&M会社の怠慢を監視できるようになり、ひいては業界全体のメンテナンス水準の底上げにもつながります」と説明する。