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始めよう! 非FITモデル
地上設置でも非FIT
非FITモデルは屋根上設置だけではない。電力系統を利用する『自己託送モデル』や『オフサイトPPAモデル』は、いずれも電力消費地に近接していない地上設置型発電所でも事業化できる非FITモデルだ。
自己託送モデルは、電力消費者が持つ太陽光発電設備で発電した再エネ電力を、電力系統を介し、別の電力消費地で自家消費するというもの。自己託送制度のもと、原則自社または密接な関係のあるグループ間で電力を融通できる仕組みだが、他社間でも電力融通できるよう制度改正の検討が進む。
事業化への障壁は電力系統を管轄する送配電会社との協議を要すること。FITと異なり、電力消費者が30分単位での発電計画を立てなければならない。もちろん、電力消費者は支援企業の協力のもとで実施していくことになるだろうが、部分供給に当たる場合は、送配電会社だけでなく、不足分を供給する電力小売り会社にも計画を通告しなければならない。同一エリア内で前例がないことも珍しくなく、協議が難航している。いかに発電予測の精度を高め、予測誤差を低減できるかが事業化の鍵である。
オフサイトPPAモデルも、遠隔地にある太陽光発電設備で発電した再エネ電力を、電力系統を介し、電力消費者が消費する点は自己託送モデルと似ているが、双方が同一である必要はなく、間に電力小売り会社が介在する。特定顧客専用の発電所を活用するイメージに近く、発電計画の策定などは間に入る電力小売り会社が担う。21年6月には、NTTアノードエナジーグループがセブン&アイ・ホールディングスの一部店舗向けにオフサイトPPAによる電力供給を始めている。
また、非FITモデルでは、太陽光発電所を開発・建設し、電力小売り会社などへの売電事業を行う発電事業モデルもある。脱炭素化の加速に伴い、非FIT太陽光発電所からの電力調達に積極的な電力小売り会社も現れ始めているのだ。
いずれにしても、非FITモデルに共通するのは、いかに非FIT太陽光発電所を建設できるかだ。太陽光発電所を開発し、建設していく流れは従来と変わらない。最大の違いは、固定価格かつ長期の電力買取りを国が保証するFITがない点である。
全量自家消費モデルやオンサイトPPAモデル、自己託送モデル、オフサイトPPAモデルでは電力消費者が長期間使い続けること、発電事業モデルでは電力小売り会社などが長期間買取り続けることがFITの代わりとなる。電力消費先や売電先を確保することで、開発・建設時の融資も受けやすくなるわけだ。
長期契約を交わすためには開発・建設から運用までを含めた発電コストの低減が欠かせない。特に電力系統を利用する非FITモデルでは、直近のFIT入札の最低落札単価であったkWhあたり10円を下回る売電単価を前提とした発電所開発が期待されている。
太陽光パネルなど関連機器が値上がり基調にあるなど逆風もあるものの、22年度からはFIP(フィード・イン・プレミアム制度)も併用できるかもしれない。今こそ脱炭素社会の実現に貢献できる非FITモデルを始めよう。