米国PVレポート

米カリフォルニアで勃興する地域新電力 再エネで大手電力に対抗

電力小売りが全面的には自由化されていないカリフォルニア州ですが、地方自治体による電力供給は認められています。大手電力会社が独占する市場で、高い再エネ比率を強みにシェアを拡げています。

モベヤン・ジュンコ

1997年サンディエゴ州立大学でMBA(国際経営学)取得。99年京セラ北米統括本部に入社。2006年から太陽光発電調査会社の米ソーラーバズのシニアアナリストとして活躍。13年よりジャーナリストとして、米国の太陽光発電政策や市場のトレンドなどに関する記事を日欧米のメディアに多数執筆している。

日本では電力小売りが全国一律に自由化されていますが、米国の場合、自由化の是非は州ごとの判断に委ねられています。カリフォルニア州では電力小売りが自由化されておらず、3つの大手電力会社が地域の電力市場を独占しています。

しかし、同州は2002年に、需要家が電力を選択できる新たな法律を制定しました。これにより、市や郡などの地方自治体がCCA(コミュニティ・チョイス・アグリゲーション)と呼ばれる団体を設立し、電力小売り事業を展開できるようになったのです。CCAは発電設備を有する事業者と電力購入契約を結び、需要家への電力を小売りします。ただ、電力供給に際しては、既存の大手電力会社が所有する送配電網を利用する仕組みで、そのほかにも送配電網の管理・保守や、電気代の請求書の発行と回収、付随する顧客サービスなども大手電力会社が継続して担います。

10年に同州マリーン郡で最初のCCAが事業を開始して以来、その数は増加し、18年末時点で18の自治体がCCAを運営しています。CALCCA(カリフォルニアCCA協会)によると、現在同州のCCAは計260万件の顧客契約口数を持ち、州内における総電力販売量の10%を供給しているといいます。

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