新型コロナ対策、中小支援に80兆円
太陽光発電所の固定資産税も減免
政府は具体的にどのような策を講じるのか。まず資本金10億円未満の中小企業、フリーランスを含む個人事業者、医療法人や農業法人、NPOといった会社以外の法人まで対象とした給付金を用意する。2020年1月から12月までのうち、19年の同月と比べて売上高が50%以上減少した月を申請者が選び、それに12を乗じて、19年1年間の総売上高から引いた金額を給付する。ただし、給付の上限は、法人は200万円、個人事業者は100万円だ。
金額は少ないにしても、利用しない手はない。申請に際しては、19年の確定申告書類の控えと減収月の事業収入額を示した帳簿等を提出する。補正予算の成立後1週間程度で申請受けつけが始まる。電子申請の場合、申請後2週間程度で給付が完了する予定だ。
政府は投資に対する支援も行い、既存の補助金制度を手厚くする。ものづくり補助金とIT導入補助金の補助率を、いずれも2分の1から3分の2へ、持続化補助金の補助上限を50万円から100万円にそれぞれ引き上げる。
太陽光発電関連企業向けでは、サプライチェーンが毀損したために国内に生産拠点を移す企業に対し、オンサイトのPPA(電力購入契約)モデルを活用した自家消費用太陽光発電設備の導入を支援すべく、50億円の補助金を拠出する見通しだ。オンサイトPPAモデルで太陽光発電設備や蓄電設備を設置する民間企業に対し、太陽光発電設備にはkWあたり4〜6万円、蓄電設備にはkWhあたり2万円またはkWあたり3万円、設置費用を補助する。
このほか、日本政策金融公庫などの過去の借入れを一部実質無利子で借換する制度や、解雇を伴わないことを条件に従業員の賃金などを、中小企業は90%、大企業の場合75%助成する制度も設ける。