アンフィニ、パネル生産苦戦
工員40人超リストラ検討
大阪の太陽光パネルメーカー、アンフィニが太陽光パネルの生産で苦戦している。40人超の人員整理を進め、再建を図る考えだが、前途は多難だ。(本誌・川副暁優)
アンフィニが、福島県楢葉町で太陽光パネルの生産拠点、「福島工場」を稼働させたのは2017年4月である。同社は、約1万坪の敷地に、延床面積約5000坪、鉄骨2階建ての建屋を建設し、年産能力250MWのパネル生産ラインを導入、総工費は約75億円にのぼったと公表していた。
その総工費75億円は、アンフィニが福島県の第一地銀、東邦銀行から借り入れて用意したが、アンフィニは原発被災地に60人以上の雇用を創出する条件で総工費の3分の2に当たる49億円を経済産業省から『津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金』として受給。実質26億円の借入金で工場を建設した。
だが、太陽光パネルの販売は振るわず、同社は福島工場のパネル生産を当初の計画より大幅に縮小。「積みあがった在庫は15億円にも及んだ」(親川智行会長)。
そこで、同社は工員のリストラクチャリングを検討したが、工場の建設に際し、補助金を受給したため、受給後5年間は雇用状況を国に報告しなければならない。同社は補助金の交付要件を遵守し、現在も60人以上の雇用を継続している。
しかしながら、売上げが立たないなかで雇用を維持し続ければ、財務が悪化するのは言うまでもない。事実、同社は昨年から、東京本社をはじめ、支店を相次ぎ閉鎖し、福島工場の工員を除く営業社員を減らすなど対応に追われている。
では、なぜ稼働からわずか2年でパネル生産を縮小せざるを得ない状況に追い込まれたのだろうか。