未稼働対策新ルールが決定 原案より大幅緩和
12月5日、経産省は未稼働対策新ルールの概要を発表した。2MW以上の着工済み案件には新ルールを適用せず、対象の2MW以上の案件も、系統連系工事着工申込み期限を2019年8月末に延ばすなど、原案より大幅に緩和した。
「真面目に事業を進めてきた事業者は概ね救われるだろう」。
経済産業省が発表した新ルールを受けて、大規模太陽光発電所を手掛けるデベロッパーの幹部は安堵の声を漏らした。
事の発端は10月15日、経産省が運転開始期限のない未稼働案件への対策として、ルール変更案を発表したことだ。原案では、新たに運開期限を設けるだけでなく、期限内に必要書類を用意できなかったり、工事が終わらなかったりした案件には、売電単価を引き下げる旨が示された。準備期間があまりにも短過ぎるなど、事業者にとっては到底看過できない内容だった。
その後、経産省はパブリックコメントを実施。最終的に1600件を超える意見書が提出された。経産省は寄せられた意見を一部反映し、12月5日に、40円、36円、32円の運開期限のない未稼働案件に対する新ルールを発表した。
原案からの最大の変更点は、2MW以上ですでに着工済みの案件に対して、新ルールを適用しないことだろう。つまり12月5日時点で工事計画届出が受理されている案件は新ルールの適用除外となる。売電単価が変わらず、運開期限もないため、金融機関からの融資が止まる心配はなくなるだろう。