大型台風が西日本を直撃
太陽光発電所が多数損壊
9月4日に猛烈な台風21号が襲来し、西日本を中心に被害が拡大、太陽光発電設備の損壊事故が多発した。
台風21号は8月28日の発生から急速に勢力を増し、9月4日正午頃、徳島県に上陸。淡路島を通過して兵庫県に再上陸し、近畿地方を北上した。近畿・四国地方では記録的な高潮が発生し、気象庁によると、大阪や神戸など6地点で過去最高の潮位を超えたという。
大阪府泉南郡田尻町では、4日午後1時38分に観測史上最も強い最大瞬間風速58.1m/秒を記録した。2591tのタンカーが強風で流され、町内の関西国際空港とりんくうタウンを結ぶ連絡橋に衝突、陸路が閉ざされ、観光客ら7800人が一時関空に取り残された。
総務省は、9月14日午後6時の段階で、台風21号による死者が13人、重軽傷者が895人にのぼったと発表。全壊した家屋は9軒、半壊・一部損壊は合わせて2万1900軒に達した。
太陽光発電所の損壊事故も多発した。大阪府堺市内の関西電力が保有する出力10MWの太陽光発電所では、太陽光パネル約30枚が飛来物によって損傷し、接続箱6台に水が浸入。大阪市住之江区南港では、三興倉庫の本社の屋上に設置されていた出力2MWの太陽光パネルが吹き飛んだほか、複数の屋根上太陽光発電所が被害に遭った。
大阪府南河内郡河南町の今堂池に浮かぶEPC(設計・調達・建設)大手ウエストホールディングスの水上太陽光発電所では、一部のフロートが風で飛散。兵庫県の淡路島では沿岸部の地盤が崩れて太陽光発電設備が崩壊し、無残な姿に変わり果てた。