西日本豪雨で露呈した太陽光の意外な弱点
助け合いで苦難を乗り越える
取材を通じ、様々な人に出会った。福知山市で夫とともに雑貨店を営む福林曙實さん(79)は、「品物が水を被って駄目になった。もう泣きたいが、近所の人から励まされたり、助けられている」としみじみ語った。
助けられる人もいれば、助ける人もいる。友人宅の後片づけに駆けつけた青年たち、崩れた近所の道に人が落ちないように柵を取りつける老人、自社の営業がままならないなか、道行く人に飲み物を配る京セラソーラーFC倉敷の社員たち。みな無私の人々である。
苦難の時こそ人の強さが目に見えて表れる。それは疾風に勁草を知るとの諺にもあるが、真意は、疾風に勁草が育つのだ。人は生まれながらに強くはないが、苦難に打ちひしがれる人を前にして手をかさずにはいられない。だから強くなるのではないだろうか。逆境の中で強くなるのが人の本質ならば、被災地は必ずや再起を遂げるはずだ。