営農用太陽光に業界団体が混在する理由
5月18日、東海地方にまたひとつ営農用太陽光発電の任意団体が発足した。これで少なくとも団体は4つ以上存在することになる。年間20MWの小さな市場に、なぜ団体が混在するのか。(本誌・中馬成美)
農地の上部に太陽光発電設備を設置し、農業と売電事業の両立を図る営農用太陽光発電。業界には主な任意団体が4つある。
最も古く、規模も大きいのが、『ソーラーシェアリング協会』だ。2013年6月に千葉県で創設された。会員数は80団体以上にのぼり、太陽光発電の販売・施工会社を中心に農業生産法人などが所属、これまで150件以上の営農用発電所の建設に携わってきた。
2つ目が13年9月に発足した『日本ソーラーシェアリング協会』である。太陽光発電の販売・施工会社や農家など30の法人が加盟している。
3つ目は、15年10月に発足した『全国営農型発電協会』だ。所属団体には15社の太陽光発電の施工会社が所属する。
そして今年5月、4つ目の団体として誕生したのが、『営農型太陽光発電普及協議会』である。東海地域の太陽光発電の販売・施工会社やNPO法人など30の団体が発起人となって設立された。
ほかにも、各地に大小様々な関連組織が存在するが、そもそも、営農用太陽光発電の導入件数は年間380件程度。導入量にして20MW規模しかない。なぜ小さな市場に任意団体がいくつも存在するのだろうか。
ひとつは、規制緩和から3年経ってもなお普及が進まない業界固有の問題に答えがありそうだ。