買取り価格10%低減
明か暗か!2年目の全量売電
コスト低減が至上命題
だが、今回の算定は妥当との評価も多い。中堅EPC(設計・調達・建設)企業の首脳は、「10%低減は投資が維持されると同時に、コスト低減をも促し、バランスが取れている」という。
確かに、FIT法(再生可能エネルギー特別措置法)には、施行後3年間は発電事業者の利潤に特に配慮するとある。事業者の投資欲を高め、再生可能エネルギーの普及を促すことを目的としている。
しかし、それは裏を返せば、再エネの発電コストはまだまだ高く、手厚い助成が不可欠であることを表している。すなわち、再エネの普及にはコストがかかる。
それでも有益なものだから、将来コストが下がるまで国民負担で支えていこう。FIT(全量買取り制度)は、このような国民的合意の上に成立している。
故に賦課金の負担が電気の使用者に対して過重なものとならないように配慮しなければならず、だからこそ、FITは再エネのコスト低減を促す制度でなければならない。それが「買取り価格の算定は、一般電力料金のような原価積み上げ式であってはならない」(経産省資源エネルギー庁村上敬亮新エネルギー対策課長)ことの論拠である。
つまりFITとは、再エネを普及させるために、事業者の投資欲を高め、かつ再エネのコスト低減を促す制度なのだ。その本質に立ち返れば、今回の買取り価格は妥当だというわけだ。
いずれにせよ、政策の評価はマーケットによって下される。13年度が、12年度よりも再エネが普及し、かつコストが下がれば成功、そうでなければ失敗なのだ。