環境省、脱炭素先行地域9ヵ所選定 5回目の採択で82ヵ所に
環境省は2024年9月27日、北海道厚沢部町や三重県度会町、神戸市、広島県東広島市、福岡市などの9地域を脱炭素先行地域に選定した。5回目の採択で脱炭素先行地域は82ヵ所になった。(本誌・土屋賢太)
環境省は2030年までに民生部門の脱炭素化を実現する『脱炭素先行地域』を100ヵ所選び〝脱炭素ドミノ〟を起こす狙いだ。24年6月17日から11日間の第5回公募では66の地方公共団体が計46件の事業計画を提出し、環境省の審査を経て、北海道厚沢部町や岩手県陸前高田市、岩手県釜石市、三重県度会町、神戸市、広島県東広島市、山口県下関市、福岡市、長崎県五島市の9地域が採択された。
今回、環境省は、「先進性・モデル性」や「地域経済循環への貢献」、「事業性」、「取組の規模・効果及び電力需要における自家消費率・地産地消率」、「再エネ設備の導入量及びその確実性」、「需要家・供給事業者・関係者との合意形成」、「地域の将来ビジョンとの整合性」の7項目を選定の基準とした。第1回から第4回の実績や事業評価を踏まえ、選定要件や配点を見直したほか、3回目に新設した『重点選定モデル』を廃止した。
そのうえで、前回と同様に先進性・モデル性や地域経済への貢献、事業性を重視した。特に、先進性とモデル性が高い提案を評価するため、審査手順を改め、確認事項に関する1次審査や先進性・モデル性に関する2次審査、総合的な審査の3次審査と段階的な審査を行い、一定水準以上の提案が次の段階に進めるようにした。また、30年度まで残された期間が短くなるだけに、環境省は、熟度の高い計画や、先進性・モデル性の際立った特徴を持つ9地域を選定した。
なお、今回、三重県と広島県の自治体が選定されたことで、脱炭素先行地域のない〝空白県〟は9都県となった。