高効率太陽電池 国内住宅で躍進
パナソニック、日本トップを標榜 東芝、システム販売3倍増
大容量から高効率へ
両社の販売が伸びた最大の理由は、PVユーザーの志向の変化である。
PVの普及拡大に伴って、売電収入を目的にPVを購入する顧客層が増えた。1件当たりの設置容量が増加しており、J-PEC(太陽光発電普及拡大センター)の統計によると、平均設置容量は、09年度が3.82kWだったのに対し、10年度は4kW、11年度は4.34kWと増加の一途を辿っている。
この大容量化ニーズが、顧客の志向を変えた。日本の住宅は太陽電池モジュールを設置できる屋根面積が小さいうえに、耐震性を考慮すると、屋根への加重は極力減らす必要がある。それだけに、より多く発電し、より多く売電するには、発電性能の高いPVシステムを購入した方がよい。顧客の関心は自ずと高効率モジュールに向くのである。
そもそも、日本のPVユーザーは、30代から50代で戸建て住宅を所有できる中流層が大半である。PVは住宅と同様〝一生に一度の買い物〟であるから、少々割高であっても、高性能な設備を導入しようと考えるものが多いようだ。このニーズを満たしているのが、パナソニックと東芝の高効率PVシステムだった。