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独Qセルズ破綻 価格競争脱落

中国勢、軒並み赤字 米ファーストソーラー、2千人リストラ

モジュール、軒並み赤字

では、勝利した中国モジュールメーカーや米ファーストソーラーは、栄光を手にしたのか。いや〝デスマッチ〟は勝利者の体力をも奪った。採算度外視の値下げバトルは、世界のモジュールメーカーの経営を蝕んでおり、その状況は各社の11年通期決算に色濃く記された。

世界トップの中国サンテックパワーは、モジュール出荷量が2GW超と前期比30%以上伸ばし、売上高は31億4660万米ドル(約2580億円)で8.4%増を維持した。だが、営業損失は6億3330万米ドル(約519億円)、最終赤字は10億670万米ドル(約825億円)に膨らんだ。

中国第二位のインリー・グリーン・エナジーも、売上高は23億3210万米ドル(約1912億円)と、前期比約27%の増収だったが、営業損失が4億2820万米ドル(約351億円)、純損失は5億980万米ドル(約418億円)に拡大した。

中国トリナソーラーも、モジュール出荷量こそ対前年比43%増の1.5GWと大幅な伸びを示したが、純損益は3780万米ドル(約31億円)の赤字に転落している。

米国最大手で世界二位のPVメーカー、ファーストソーラーも厳しい状況だ。売上高が前期比7.9%増の27億6620万米ドル(約2268億円)、売上総利益は世界5強のなかでも最も高く35%を維持したが、営業損益は、前年の黒字から一転、6860万米ドル(約56億円)の赤字。純損益も3940万米ドル(約32億円)の損失を計上している。

これを受けて、同社は今年4月、全従業員の約30%に相当する約2千人の人員整理を行い、今年10月以降、ドイツのフランクフルト工場を閉鎖することを決めた。マレーシア工場は、5月から24ライン中、4ラインの操業を無期限停止する。これで3千万〜6千万米ドルのコスト圧縮を目指す。

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