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ドイツ環境省、PV引き締めに本腰

異例のFIT大改造計画を公表 国民負担3倍増に配慮

ドイツ政府は2月24日、EEG(再生可能エネルギー法)の改正案を公表、異例のFIT(全量買取り制度)改定に踏み込んだ。PV(太陽光発電)需要を引き締める意向である。公開した修正案は、3月と5月以降に及ぶタリフ(買取り価格)の大幅減額や、出力10MW以上の大型設備への補助停止に加え、タリフ改定権の省庁への委譲にまで及ぶもの。PV導入量の急増による賦課金(買取り費用を電気料金に上乗せする負担金)上昇を抑え、国民負担を軽減する狙いだ。改正案がドイツ連邦議会で可決されれば、ドイツのPV市場が急速に冷え込む可能性が高い。

今回発表されたEEG改正の素案は、ドイツ連邦環境省とドイツ連邦経済技術省が共同で策定した。改正の内容は、①「タリフの大幅減額」、②「買取り区分の見直し」、③「タリフ改定権の省庁への委譲と年間PV導入量の設定」、④「〝全量買取り〟から〝一定割合買取り〟へ移行」の4つに種別できる。

まず、「タリフの大幅減額」は、すべての対象設備のタリフを3月9日に20〜29%減額し、5月1日から毎月0.15ユーロセントずつ月次減額する。5月以降の月次改定は、タリフの改定前に駆け込みで系統連系に殺到する事態を防ぐ対策としている。タリフの減額は、今年1月1日に一律15%減額されたばかり。これに3月9日と5月1日以降の減額が加わると、「屋上施設・出力10kW超え同100kW以下」に該当する設備は、年間で計51%減額されることになる。これはFITが始まって以来、最大の減額率である。

「買取り区分の見直し」で注目すべき点は、出力10MWを超える大型PV発電設備が7月1日以降、補助対象から外されることである。確定すれば、ドイツでは今後、10MWを超える大型PV発電所の建設がストップする。プロジェクト開発が大幅に減少する公算が大きい。

その他、買取り区分を修正した。具体的には、「屋上施設・出力10kW以下」、「屋上施設・出力10kW超え同1千kW以下」、「屋上施設・出力1千kW超え同10MW(1万kW)以下」、「地上施設・出力10MW以下」の4つに分類する。それまでの「屋上施設・出力10kW超え同100kW以下」は、3月9日から「屋上施設・出力100kW超え同1千kW以下」と同じ区分に統合するとしている。

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