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熊本地震から1ヶ月

売電停止、営業停止、被害対応続々 奮闘する地元PV会社

熊本地震の影響で地元の太陽光関連会社が損害を被っている。地震から1ヵ月が経過したが、事態は収束していない。実情に迫った。

売電できない発電所

太陽光システムの施工販売を手掛ける宇佐美工業(熊本市東区、宇佐美和男社長)は、所有する出力50kWの太陽光発電所が地震発生から1ヵ月以上経過したいまも再稼働の目途が立たない状況が続いている。

地震による直接的な被害は、杭基礎を打ち込んだ地面に亀裂が走り、架台の一部が歪んだ程度で、発電設備そのものに大きな損傷はなかった。だが、系統は無事では済まなかった。電柱は倒れ、ケーブルが棄損し、発電した電力を系統網へ送れないのだ。

宇佐美社長は「電力系統の復旧は住宅が優先だ。それに発電所に向かって伸びる県道が寸断されてしまったので、電力会社が発電所付近の電柱を整備する目途が立っていない。いつ再稼働できるかわからない状況だ」と話す。

多額の資金を投じて開発したその発電所は運開からわずか2週間しか経っていなかった。買取り価格は36円。売電損失は計り知れないが、宇佐美社長は「お客さんの案件でなくてよかった」と安堵の表情を浮かべ、「再稼働できるまでじっくり待つ」と気丈に語った。

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