スイス・ABBは4月22日、太陽光発電用パワーコンディショナ世界大手の米パワーワンを買収することで合意したと発表した。ABBは1株当たり6.35米ドル、約10億米ドルでパワーワンの株式を獲得する。株主及び規制当局の承認を経て、2013年下半期に完了する予定だ。
　ABBは電力及びオートメーション世界大手。2012年の売上高は393億36百万米ドル。太陽光発電市場向けには、パワーコンディショナや接続箱、変圧器、監視システムなどを供給するだけでなく、EPCを含めたターンキーソリューションを提供している。日本市場においては、出力100kWから630kWの大型パワーコンディショナや1000kW、1260kWのキュービクル一体型システム、接続箱や無効電力補償装置の提案を進めている。
　一方、パワーワンは、住宅用の小型タイプから出力1000kWを超える大型タイプまで豊富なラインナップを揃える世界2位の太陽光発電用パワーコンディショナメーカー。2012年の売上高は10億22百万米ドル、インバータ出荷量は3570MW。年産能力は約6GW。日本市場については、2012年に日本法人を設立し、本格進出へ向け、準備を進めているところだ。
　ABBのジョー・ホーガンCEOは、「太陽光発電は、グリッドパリティの実現へ急速に迫っており、将来のエネルギーミックスを再編する主要な力になっている」としたうえで、「パワーワンは、適切に管理された企業であり、高度に最も魅力的でインテリジェントな太陽光発電製品にフォーカスした高度な技術革新者だ。パワーワンとの組み合わせは、2015年へ向けた戦略に沿ったもので、顧客や従業員、株主のための価値を生み出し、成功裏に競争できる規模を持つグローバルプレーヤーを創出することとなる」とコメント。パワーワンのリチャード・J・トンプソンCEOは、「この取引は当社の株主に大きな価値を提供することに加え、パワーワンの成長を加速させるものだ。我々は革新的な再生可能エネルギーソリューションの世界的な需要に対応し、グローバルなリーダーシップを強化する。ABBは正しいパートナーであり、我々が力を合わせるには理想的な時であると考えている」と述べている。