ファーウェイ製PCSの新機能〝スマート故障診断〟の魅力

フォーチュン・グローバル500に名を連ねた中ファーウェイ(華為技術)が定格出力33kWのPCSと同40kWPCSを同時発売した。注目は遠隔からストリング単位でI-Vカーブを測定して故障を診断する新機能〝スマート故障診断〟だ。世界トップの最新技術、その魅力に迫る。

新発売の33kW、40kWPCS

いまや発電所建設は分散型PCSが主流になりつつある。なかでも、ファーウェイ製の28kW機、24.5kW機が人気を博しているが、ここに来て新たに商品化されたのが33kW機と40kW機だ。

新製品は、従来機より出力が高く、大規模発電所向けに設計されており、双方とも変換効率は98.8%と高い。4回路MPPT(最大動作点追従)機能を搭載し、発電電力量の最大化を図れる従来機の優位点はそのまま引き継いでいる。

注目すべきは、遠隔からストリング単位でI-Vカーブを測定し、取得した波形の変化から太陽光パネルに生じた故障の原因を自動で特定するオプション機能〝スマート故障診断〟だ。

故障診断では、まずPCSがI-Vカーブを測定し、この測定値を、ビッグデータをAI(人工知能)で解析した故障の傾向と照らし合わせて発電電力量が低下する原因を追究する。断線や短絡、バイパスダイオードのショート、PID現象など、パネルで起こり得る多様な故障原因のなかから特定し、監視画面上にメッセージを表示するという流れだ。

I-Vカーブ測定機能の特長は、計測スピード。PCS1台分、つまりストリング8本分のIVをわずか数秒で測れる。10MWの大型発電所でも測定時間は30分程だ。なお、取得したデータは20年間保存可能だ。

総出力320MWの大規模発電所。新機能を搭載したファーウェイ製40kWのPCSを8000台設置している