ファーウェイ、多機能PCS発売

住宅用蓄電設備を大幅刷新

PCS世界大手のファーウェイがこのたび、新型多機能PCSを発売した。住宅用蓄電設備で他社との差別化を図り、拡販する狙いだ。

ファーウェイ・ジャパン(華為技術日本)は2024年6月に出力4.95‌kWの新型PCS(パワーコンディショナ)、『SUN2000−4.95K−LB0−NH』を発売し、9月末に初出荷した。新製品は、いわゆるマルチ入力型の多機能PCSで、太陽光電力の宅内供給や蓄電池の充放電に加え、EV(電気自動車)との電力融通まで可能になる。

なかでも、最大の特徴は、4.95‌kW機2台を並列に接続することで自立運転時に9.9‌kWの高出力化を実現した点だ。従来機も、停電時に宅内全ての家電製品に給電する全負荷対応品ではあったが、自立運転時には各PCSから4.95‌kWずつ出力される仕様だった。そこで同社は、周波数を調整する機能を新たに設け、自立運転時における4.95‌kW機2台の並列運転を実現、停電時も9.9‌kWの高出力で宅内に給電できるようにした。

さらに、同社は安全性にも配慮した。太陽光パネルやケーブルの不具合で電子がプラズマ状態で放出されるアークが発生すると、火災事故に発展しかねない。同社は今回、直流アーク発生時に0.5秒以内に自動で回路を遮断する『AFCI』機能をMPPT(最大電力点追従)単位で搭載させている。

同社デジタルパワー事業部小林理シニアプロダクトマネージャーは、「新製品は、停電時にも宅内すべての家電製品の電力を賄える点が特徴的です。そのうえで安全性にも徹底してこだわりました」と語る。