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〝北電ショック〟の真相

太陽光の接続可能量、泊原発再稼動を前提に試算

北海道電力によるメガソーラーの接続拒否問題が太陽光発電業界に波紋を広げている。経済産業省は緊急の対策を打ち出したが、実に1.1GWに及ぶ北海道のプロジェクトが破綻する公算が大きい。北電は系統電力の周波数の不安定化などを接続できない理由に挙げたが、それだけでは説明責任を充分に果たしたとはいい切れない。この状況下、太陽光発電の接続可能量の算出に泊原発再稼動を想定していたことが明らかになり、発電事業者は不信感を募らせている。そこで本誌は、北電管内でなぜ太陽光発電が受け入れられないのか。その真相に迫った。

〝北電ショック〟は起こるべくして起こった。

脆弱な送電網を持つ北電は、かねてより再エネの受け入れに不安を抱えていた。だが、北海道は地代が安く日照条件もよい。発電事業者の参入が後を絶たず、とくに大型案件が集中した。

12年10月末には、北海道における太陽光発電の設備認定量が全国の3割以上を占める状況となった。経産省は12月7日、北電に太陽光発電の受け入れ可能量の再確認を促し、送電網の容量増加を要請する。

しかしその後の3ヵ月間で駆け込み案件が急増。フタを開ければ13年3月末までの北電管内における2MW以上の太陽光発電の申請量は1568MWにのぼり、このうち400MW程度しか受け入れられないことが判明。4月17日の発表に至ったのである。

北電総務部は、太陽光発電を接続できない理由について、「系統の周波数が不安定になる。火力発電による調整力も限界に達した」と公表するに止め、本誌の取材にも同様の回答であった。しかし果たしてこの説明だけで発電事業者は納得できるだろうか。

そもそも再エネの導入によって系統電力の周波数はなぜ不安定になるのか。火力発電による調整力の限界とはどのようなことなのか。

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