買取り価格10%低減
明か暗か!2年目の全量売電
経産省の有識者会議「調達価格等算定委員会」は3月11日、太陽光発電の2013年度の買取り価格を10%減額する案を示した。意見公募を経て正式に決まれば、出力10kW以上の非住宅用はkWhあたり税抜36円(税込37.8円)、10kW未満の住宅用は38円となる。業界では安堵の溜息が広がる一方、円安による部材費の上昇リスクも懸念されている。当面は12年度からの持ち越し案件で活況が続く見通しだが、今秋以降の動向は読めない。送電網への受け入れ問題が燻り続けるなか、全量売電は2年目に突入する。
今回の買取り価格の算定は12年度の算定法が踏襲された。発電事業者があらかじめ次年度の価格を予測できる〝予見可能性〟を重視し、制度発足2年目で算定法を変えるのは不適切との意向が働いたためだ。
つまり、12年度と同様に発電事業者への利潤を確保し、そのうえで、太陽電池モジュールとPCS(パワーコンディショナ)、架台、工事費を含む設置費用を算定の基礎としたのである。
経産省は、制度スタートの12年7月から12月までの6ヵ月間のデータを集計し、10〜12月の平均設置費用を開示した。しかしこれが、「想像以上にバラけていた」(経産省幹部)。
非住宅用の出力1MW以上がkWあたり28万円であるのに対し、50kW以上500kW未満は37.5万円、10kW以上50kW未満は43.7万円と割高。住宅用は新築住宅向けが42.7万円、既築住宅向けが46.6万円だった。
非住宅用の設置費用は、1MW以上の28万円と50kW未満の43.7万円とでは15.7万円の開きがある。それだけに非住宅用の算定の基礎を、12年度と同様に最も安い1MW以上の設置費用とするのは妥当か。これが議論の争点となり、10kW以上500kW未満に新たな区分を設けるべきとの意見もあった。