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PVeye 2012年8月号
特集「太陽電池モジュール 20年の信頼性を問う 何が太陽電池を殺すのか あなたのパネル寿命は いったい何年?」
特集/何が太陽電池を殺すのか あなたのパネル寿命はいったい何年?
ニュース/全量売電スタート!メガソーラー全国17設備稼働
設備認定200件、150MW突破
インタビュー/トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団理事長
安念潤司 中央大学法科大学院教授
データ/世界市況データ/PV関連企業 株式時価総額推移
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誰もが等しく享受されるべき電力、それゆえ、誰がどうつくろうとも、等価の価値しか生まない究極のコモディティでもある。7月1日、太陽光発電の20年に渡る長い旅路が始まった。使命は既存電力とのグリッドパリティ、そして帰還する2032年、そのときまで正常に発電し続けること。そう全量買取り制度が始まったのだ。・・・
メカニズム編
劣化メカニズムの解析、評価試験による寿命の定量化こそ、コスト競争を勝ち抜く道
増田淳 産業技術総合研究所 太陽光発電光学センター 太陽電池モジュール 信頼性評価連携研究体 研究体長
最低でも屋根貸し領域はJSQ8901を必須にすべき
太和田善久 大阪大学大学院工学研究科 カネカ基盤技術協働研究所 招へい教授
太陽電池編
発電量、耐久性能に自信あり
発電量保証でも先手を打つ
栗谷川悟 ソーラーフロンティア 取締役 常務執行役員技術本部長
「ものすごく象徴的な、そう30年といった年月をもたせろなんて要求はないような気がする。むしろ市場の焦点は経済性や発電量なのでは」。CIS型太陽電池の生みの親、栗谷川悟取締役常務執行役員はこう語ったが、日系勢で唯一、20年の出力保証を付与するソーラーフロンティアだ。CISが持つ発電量、さらに耐久性にも自信を深めたいま発電量保証まで視野に入れ始めた。長期信頼性をそなえたCIS太陽電池、品質に対するフィロソフィに迫る。
進化が劣化現象を変える
究極の結晶系モジュールとは
有本智 三菱電機 中津川製作所 太陽光発電システム第一部長
独PID試験に表れたシャープ、京セラの設計思想
太陽電池モジュールの長期信頼性が取り沙汰されるなか、今年6月、独・フランホーファー研究機構が実施した耐PID(Potential Induced Degradation)試験の結果がミュンヘンで開催された展示会場で公開された。検査対象の主要モジュールメーカー13社の製品のうち、9製品に出力低下が発生したが、国内のシャープと京セラの製品には異常が認められなかった。シャープ、京セラが志向するモジュールの長期信頼性とは何か、両社の設計思想に迫った。
素材・評価編
コスト低減か機能重視か
岐路に立つバックシート技術
萱場啓司 東レフィルム加工 高機能加工品事業部長PV技術部長
バックシート―。それは太陽電池モジュールの背面を保護する高分子フィルムで、長期間、屋外の厳しい環境から心臓部のセルを守る。役割は実にシンプルであるが、水蒸気の浸入を防ぐバリア性はもとより、紫外線や温度変化、湿度変化にも耐え得る高い耐光性・耐候性が求められる。それだけに、モジュールの長期信頼性を担保するうえで欠かせない素材であるが、厳しいコスト競争に晒され、その価値が揺らいでいる。コスト低減か、機能重視か、判断はモジュールメーカーの設計思想に委ねられるのであるが、バックシートの果たす役割と、その機能を探る。
酢酸がモジュールを破壊するのか
先入観を覆すEVAの孤独な戦い
塩田剛史 三井化学 新材料開発センター 工学博士
セルや集電配線をしっかりと包み、カバーガラス、バックシートと接着することでセルを過酷な外部環境から守り抜く封止材、その代表例がEVAだ。だが、モジュールの劣化現象を紐解くと、そこにはいつもEVAの存在がある。エチレンに酢酸ビニルを結合させた構造ゆえ、加水分解によって生成された酢酸が劣化因子のひとつだと指摘されるのだ。果たしてその真実とは。EVA犯人説の真相を追う。
品質、性能とはデザイン、製法、材料の三位一体
林隆一 デュポン 執行役員 技術開発本部本部長兼経営企画部長
信頼性を議論するうえで何物にも代え難い価値がある。それは時間だ。1960年代に登場した樹脂材料が半世紀に渡る市場競争を勝ち抜き、25年のときを超えいまだ機能し続けることでディファクトスタンダード。世界標準に数えられている。その代表例が結晶系太陽電池の構成材料であるフッ素系樹脂フイルム、テドラーと封止材EVAだろう。
劣化現象の未知なる謎を解く分析技術
ELサーモグラフィによる画像診断
ラマン分光で分子構造を探る
熱暴走からダイオードを守る
最大定格温度の基準化必要
小西康文 オーナンバ 執行役員 技術生産統括部 技術部長
ある温度帯を超えると熱暴走し始め、やがて自らを破壊する。ハンダの溶融やバックシートを焦がすバイパスダイオードの発熱現象は、モジュール劣化のアキレス腱のひとつに数えられていた。だが技術的アプローチは進み、熱暴走を食い止めるため新たな基準づくりの機運が高まる。
6~9
全量売電スタート!
メガソーラー 全国17設備稼働
設備認定200件、150MW突破
記念すべき7月1日―。我が国でFIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)が始動し、京都府や群馬県、兵庫県、福岡県など数ヶ所でメガソーラー発電所が稼働した。各地で開所式が開催され、孫正義氏が率いるソフトバンクグループをはじめ、シャープや京セラ、東芝、ソーラーフロンティアら太陽光発電業界の主役が顔を覗かせた。
40~41
グリーンテック
今期売上300億円標榜
川勝前社長が商品開発を指揮
価格競争が激化する国内の太陽光発電市場でプレイヤーの優勝劣敗が鮮明になるなか、システムインテグレータのグリーンテックが急浮上している。住宅用太陽光発電システムの卸販売で業績を伸ばし、産業用分野にも展開。13期目に当たる今期は、前期比倍増の売上高300億円を標榜する。急成長する同社の事業モデルとは、そして新戦略とは。
10
韓国
LS産電、全量売電市場に本格参入
年内に100MWモジュール供給
韓国の太陽光発電大手、LS産電はこのほど、日本のFIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)始動を受けて、日本の産業用太陽光発電向けの事業を本格化した。太陽電池モジュールや関連機器の販売から、EPC(発電所の設計・調達・建設)まで手掛ける構えだ。モジュール出荷は年内100MWを目指す。
35~39
「再エネ普及に発送電分離は欠かせない」
トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 代表理事 理事長
「エネルギーの選択は経済合理性をもとに判断すべき」
安念潤司 中央大学法科大学院教授
7月1日―。買取り価格42円、買取り期間20年という高いインセンティブのもと、日本版FIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)が始動した。太陽光発電を中心に再生可能エネルギー(再エネ)の普及拡大の機運が高まっているが、奇しくも時を同じくして、関西電力大飯原発3号機が再稼働した。野田佳彦首相は"電力不足"への対応を迫られ、苦渋の決断を下したようだが、3・11以降、脱原発を掲げて再構築したエネルギー政策が早くも揺らいでいる。
原発の安全性に関する議論はさておき、我が国は原発も含めたエネルギー基本計画がいまだ宙に浮いている。再エネ推進に異を唱えるものは少ないが、果たして主要なエネルギーとして本格導入していくつもりなのか、それとも補助電源なのか。政府の真意が見えてこない。
そこで、再エネは今後、エネルギー利用においてどう位置づけられるべきか、自然エネルギー財団理事長を務めるスウェーデンの有識者、トーマス・コーベリエル氏と、中央大学法科大学院教授の安念潤司氏に聞いた。意見は「原発再稼動」、「発送電分離」にまで及んだ。
51
ネミー
産業用システムインテグレーション
年度内50MW目指す
架台製造を軸に太陽光発電事業を展開するネミーはFIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)の運用開始を受けて、太陽光発電所の建設に乗り出す。専用架台の設計・開発から太陽電池モジュールの供給に加えEPC(発電所の設計、調達、建設)やO&M(発電所のメンテナンス管理)まで手掛ける方針だ。住宅用太陽光発電向けの製品ラインナップも拡充しており、産業用、住宅用ともに営業を強化している。
52
「10年、20年先を見据えた施工を」
安田武司 アイデン 取締役社長
「最近は本当に忙しいですよ」。
取材開始直後の安田武司社長の第一声だ。7月1日のFIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)の開始以降、住宅用太陽光発電に加え、産業用太陽光発電の仕事も増加、累計施工件数が7000件を突破し、ここ数年は年間1000件の施工を請け負っている。全国有数の太陽光発電施工店であるアイデン(大阪府泉佐野市)の施工技術を探った。
43~50
英弘精機、茨城で740kW太陽光発電所建設 モジュール試験場として活用
PVかながわ、組合方式でPV設置へ 2年間で20MW導入目指す
エクセル、メガソーラー向け遠隔監視システム提案
日本気象協会、住宅用太陽光発電 簡易診断システム開発
木谷電器、PV機器、出荷20%増も売上微増
太陽光サポートセンター、産業用太陽光 メンテナンス開始へ
ULジャパン、「JISQ8901」認証サービス開始
サカキコーポレーション、日射計販売 累計6000台突破 メガソーラーにも納入
エスイーエム・ダイキン、新世紀PV会 業務用専門委員会開催
薩摩で発電ビジネス本格化
大和電機、出力1MW、やまとソーラープラント伊集院完成へ 九州おひさま発電、3年間で30MW建設
フォトボルテック、社長交代 新社長に池田真樹専務が昇任 西島社長は会長に
58
桑野幸徳 太陽光発電技術研究組合 理事長 第三回/"新製品開発とは"
1963年4月、大阪府守口市の市民会館で開催された三洋電機の入社式は、新入社員が全国各地から集まり活気があった。桑野もその中に混じって、やる気満々だったが、自分の配属先を知らされた瞬間思わず耳を疑った。洗濯機部門ではなく、中央研究所だったからだ。・・・
56~57
1)フィールドロジック、発電シミュレーションソフト
2)リンテック、新型バックシート
3)東芝、新築住宅向け、太陽光発電システム
54~55
・世界市況データ(ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュールのスポット価格)
・PV関連企業 時価総額推移
発刊日 | 2012年07月25日 |
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定価 | 1,944円 |
コード | ISBN 978-4-9906365-5-5 C2405 \1800E |