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PVeye 2013年1月号
特集「徹底予測! 安倍新政権の“再エネ政策” 主要政党のエネルギービジョンに迫る」
特集)徹底予測!安倍新政権の”再エネ政策”
主要政党のエネルギービジョンに迫る
ニュース)中国の威信を賭けた6大6小救済策を探る
Professional Vision)シャープ・稲田周次 ソーラーシステム事業部長
データ)世界市況データ/平成23年度定置用リチウムイオン蓄電池導入促進対策事業費補助金 補助金対象機器一覧/世界太陽光関連企業2012年第3四半期決算データ
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太陽光発電は政治情勢によって揺れ動く―――。
時にその振れ幅は大きく、企業の存続をも脅かすリスクになる。それは太陽光発電が、FIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)という普及政策のうえに成り立つ産業であるがゆえの"宿命"なのである。
2012年12月16日、衆議院総選挙で安倍晋三総裁率いる自由民主党が、圧倒的勝利を収め、3年3か月ぶりに政権与党に返り咲いた。経済対策を最優先課題として、「大胆な金融緩和」で2%の物価上昇を果たすと表明、経済界からの支持を取りつけた。
しかし、エネルギー政策に関して、原発ゼロへの結論を先送りし、3年間再生可能エネルギー(再エネ)の普及拡充としたほか、具体像を明かさない。果たして、安倍新政権下で再エネの普及政策は維持されるのか。そして、太陽光発電マーケットの成長は続くのだろうか。
脱原発を巡って二分する、主要7党のエネルギービジョン
衆議院総選挙で政権与党に返り咲いた自民党であるが、下野した3年間の苦い経験を踏まえれば、今後の政権運営において他党との協調は避けて通れない。自公連立で衆院3分の2以上の議席を確保したとはいえ、衆院の優位性による法案の再可決を敢行すれば、たちまちファシズム政治と揶揄され、次期参院選では移り気な国民からノーを突きつけられかねない。政策決定には与野党のすり合わせが不可欠であるが、ならば、脱原発を巡って二分する日本のエネルギー政策において主要政党はどのようなビジョンを描いているのか。民主党、公明党、みんなの党、日本未来の党、日本共産党、社会民主党、国民新党の主要7党に聞いた。
民主党/福山哲郎 参議院議員
2030年に再エネ比率30%へ
公明党/斉藤鉄夫 衆議院議員
原発ゼロ、再エネ推進の牽引役になる
みんなの党/松田公太 参議院議員
まず電力自由化を実現
日本未来の党/松崎哲久 前衆議院議員
再エネを毎年10GW導入せよ 右傾化する安倍政権に危惧
日本共産党/佐藤洋 経済政策委員会 副責任者
FIT運用のカギは"透明性"と"公平性"
社会民主党/野崎哲 政策審議会事務局 事務局次長
2050年再エネ100%へ 太陽光はピークカットに有効
国民新党/浜田和幸 参議院議員
原発の安全利用に道筋を 再エネはまだ基幹電源ではない
6~7
韓中国の威信を賭けた6大6小救済策を探る
上場廃止リスクの後退、その兆候なのか。12月を境に、NYSE(ニューヨーク証券取引所)やナスダックに上場する中国銘柄が株の値動きを反転させ始めたのだ。
なかでも上場廃止勧告を受けたダコ・ニューエナジー、サンテックパワー、JAソーラー、LDKの4社は一進一退の攻防が続くとはいえ、1ドルの壁を突破しつつある。
株価の上昇、その背景にあるのが10月末に正式決定された中国政府による6大6小救済シナリオだろう。生き残りを賭けた6大6小とは。その政策実態を探る。
9~10
世界大手であろうとも、容赦なく迫り来る破綻リスク。ビジネスモデルの転換期を迎えた2012年この年に世界トップの座をほぼ手中に収めたインリー・グリーンエナジー、堅実な財務基盤に定評のあるカナディアン・ソーラー2社が語った"太陽光発電のいま"とは。
カナディアン・ソーラー/マイケル G ポッター 上級副社長兼CFO「ビジネスモデルの転換 EPCをコア事業にする」
インリー・グリーンエナジー/ワン・ハンク副総経理「2012年世界シェア10% 世界最大のモジュール企業へ」
30~36
PID その真相を追うセルを電気化学的に腐食させる これが真のPID現象
住田勲勇 豊田工業大学 半導体研究室 嘱託研究員
セルとフレーム側との電位差が拡がると漏れ電流が流れだし、水分によってイオン化した不純物まで、セル表層に拡散してくる。このときセルは絶縁体であるSiNx、反射防止膜によって被膜されているため、表層へと降り下りたイオンは中性になることもできず、プラス電荷としてセル内で新たな電界をつくってしまう。この電界が電子と正孔との再結合を加速させ、太陽電池の発電性能を奪い去る。
「これがPID現象だ」。多くの研究機関はこうPIDメカニズムを解析してきた。だが先の事象ではどうしても説明できない現象が現実世界では起こっている。
PID現象とは一体何なのか。豊田工業大学、住田勲勇研究員の解説とともにその真相を追う。
トランスレスPCSの存在を問う
PIDを封じ込める負極接地 系統側を非接地にせよ
伊丹卓夫 TMEiC パワーエレクトロニクスシステム事業部 技術主査
直列の数だけ高電圧になる太陽電池。高電圧化を求めた彼らは網の目のように手足を自在にのばし、直列回路を無尽蔵に形成してみせる。
だが直列数が進めば、セルとフレーム側にも大きな電位差を生んでしまう。電位差が誘発するもの、それがPID現象だ。とくにグランド電位に対し、セル電位がマイナス極に振れてしまえば、発電機能を一瞬で奪い去りかねない。
しかし、彼らはシステム設置による解決方法を見いだす。提唱された接地法こそ負極接地だった。
だが、そのとき「トランスレスパワーコンディショナは負極接地ができない」と騒がれ始める。電力系統側の接地と2点接地になり、還流ループが形成され、地絡電流が流れてしまう。だから「接地はできないのだ」と。
果たしてトランスレスPCSの存在は悪なのか。TMEiC(東芝三菱電機産業システム)パワーエレクトロニクスシステム事業部、伊丹卓夫技術主査の解説からその真実に迫る。
25
トーエネック
今期EPC 20MW超へ IPPへも参入
中部電力グループの電気工事大手トーエネックは、太陽光発電のEPC(設計・調達・建設)として、今期の受注量が20MWを超える見通しだ。さらにIPP(独立系発電)事業に参入するほか、2012年11月には独自の基礎工法も市場に投入。太陽光分野での取り組みを強化している。
26~27
モジュール、システム、そしてEPC トータルソリューションで黒字転換
稲田周次 シャープ ソーラーシステム事業本部 ソーラーシステム事業部長
巨額の有利子負債を抱え、経営悪化に苦しむシャープ。資産売却を進め、リストラクチャリングで再建を図るも、依然厳しい状況だ。しかし、太陽電池事業に光明が差し込む。FIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)の導入による国内市場の拡大に伴い、業績が上向きに転じ、黒字転換の兆しが見えてきた。手負いの雄は、事業再建に向け、いかなるビジョンを描いているのか。
28~29
安川電機
次世代型パワコン開発 効率98%超
世界初!GaNパワー半導体搭載
安川電機は、2012年10月、世界で初めて窒化ガリウム(GaN)パワー半導体モジュールを搭載した単相4.5kWパワーコンディショナを開発した。設置面積を現行タイプに比べて2分の1に、最大変換効率も98.2%を実現するなど、次世代パワーコンディショナとしての期待は大きい。13年度までに技術開発を完了させ、14年度の市場投入を目指す。
40~46
ETソーラー、日本法人設立
エスイーエム・ダイキン、家庭用蓄電池バージョンアップ
新日鉄住金エンジ、杭打ち工法で今期出荷35MW超へ
インターアクション、中国大全集団と業務提携
永輝商事、モジュール170MW以上供給へ
ケミトックス、PIDセミナー1月開催
ハレオンソーラージャパン、日系企業と連携
丸文、台ネクスパワー製モジュール拡販
太陽セメント工業、コンクリ架台4.5MW超受注へ
日本グリーンパックス、今年度5MW以上出荷へ
ピーテック、接着式架台開発
ソフトバンクグループ、屋根貸し事業開始
JPEA、PV施工技術者制度創設
52
「施工を主軸に太陽光を極めたい」
池田真樹 横浜環境デザイン 取締役社長
横浜市都筑区の横浜環境デザインは、進境著しい太陽光発電の施工・販売店だ。同社の2012年5月期の売上高は前期比約70%増の17億円、今期は20億円超のペースで推移している。社長を務める池田真樹氏は、テレビ番組を活用した販売や8万円設置モデルへ参画するなど、幅広い営業を展開。その精力的な販促活動から一見営業畑とも思えるが、意外にも熱い"施工魂"を覗かせる。池田氏の歩みを辿った。
37~38
「PVジャパン2012」閉幕
約200社出展、前回を上回る4万人超
「PVエキスポ2013」開催
2月27日~3月1日、東京ビッグサイト
54
桑野幸徳 太陽光発電技術研究組合 理事長
第八回/電卓搭載で躍進
開発から1年3か月の1980年5月。桑野はアモルファスシリコン太陽電池の量産化を実現すると、電卓の電源として世に送り出すことにした。電卓はオフィスで使うもの。アモルファスは蛍光灯に対する光感度が高く、強みを活かせる。・・・
50~51
1)安川電機…屋外設置型パワコン13年春発売へ
2)東芝…世界最高効率モジュール搭載住宅用太陽光システム発売
3)カナメ…重ね折板屋根用架台発売
4)山洋電気…単相5.0kWパワコン発売
47~49
世界市況データ(ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュールのスポット価格) / 平成23年度定置用リチウムイオン蓄電池導入促進対策事業費補助金 補助金対象機器一覧 / 世界太陽光関連企業2012年第3四半期決算データ
発刊日 | 2012年12月25日 |
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定価 | 1,944円 |
コード | 雑誌80109-12 4910801091229 01800 |