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PVeye 2014年4月号
特集「年率1%未満の発電劣化はまれ!? 太陽電池の出力保証を疑え」
特集1) 年率1%未満の発電劣化はまれ!? 太陽電池の出力保証を疑え
「複合加速試験でリアルかつ、より速い劣化を生み出す」 産業技術総合研究所太陽光発電工学研究センター 太陽電池モジュール信頼性評価連携研究体 連携研究体長 増田淳 工学博士
特集2) 中国メーカー最後の賭け
中国・インリーグリーン・エナジー / 台湾・ジンテック・エナジー / 中国・レネソーラ
ニュース) 回避可能費用 算定改定へ / 14年度価格、32円で決着
データ) 世界市況データ / 2013年セル・モジュール生産・出荷量ランキング など
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FITによって、世界は変わった。日本にも近い将来、10GWを超える太陽電池が導入されるだろう。だが、それは国籍を問わず、様々な人によってつくられた製品が、市場に溢れることを意味する。環境や経済性などきれいごとで語られることが多い太陽電池。だが、発電劣化は現実に起こりつつある。太陽光発電の信頼性とは何なのか。専門メディアとしての存在意義を問い質すという自戒も込め、常識となった太陽電池の出力保証を疑うことで、あるべき姿を提言したい。
「複合加速試験でリアルかつ、より速い劣化を生みだす」
産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター 太陽電池モジュール信頼性評価連携研究体 連携研究体長 増田淳 工学博士
日本にも様々な国籍を持つ太陽電池が溢れ始めた。その多くが20年、25年の出力保証を謳うが、そもそも寿命を測る試験法すらいまはない。ではどんな試験をすれば、太陽電池の長期信頼性を特定できるのか。モジュールの信頼性向上、長寿命化、そして信頼性試験法の開発を目指した産総研コンソーシアム、その中心メンバーである増田淳氏に聞いた。
50年の研鑚積んだシャープの品質管理
「20年間の発電を保証します」。かつて斬新だった太陽電池メーカーの保証サービスが色褪せつつある。様々なトラブル事例が表面化し、モジュールの出力保証だけでは発電が担保されないことが明らかになってきたからだろう。
メーカーには〝万が一〟が起こらないよう品質向上に努めてほしいが、モジュールの品質基準を定めた国際規格に欠陥があるとの指摘も多いだけに、メーカーに責任を負わせるのはいささか酷かもしれない。ならば信頼に応える品質管理とは何か。
これを考察するためシャープの方法を探った。同社はこの半世紀、8.4GWに及ぶモジュールを量産し、60万棟の住宅に設置した。クレームは数知れず、リコールする事態に陥り苦汁を嘗めたこともあったが、だからこそ培ったノウハウがあるはずだ。
発電劣化を止めろ!!
信頼性を支えるBS、封止材、電極
6~9
回避可能費用 算定改定へ
再エネ新電力に足かせ
経済産業省は、FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取り制度)のルール改定に向け最終調整に入った。ワーキンググループで回避可能費用の算定法を見直し、早ければ今年3月末にも結論を出す。新算定法が適用されれば、再エネの普及に伴う賦課金は抑制されるが、再エネ電源で電力小売に参入する新電力(特定規模電気事業者)の事業機会が損なわれる懸念もある。
関連インタビュー
回避可能費用は電力原価 国民負担は変わらない
買取制度運用ワーキンググループ座長 山地憲治氏
14年度価格、32円で決着
住宅用は37円 想定内の減額
経産省の有識者会議、「調達価格等算定委員会」は3月7日、太陽光発電の2014年度の買取り価格案を示した。出力10kW以上の非住宅用は一律kWhあたり税抜32円、10kW未満の住宅用は37円となる。茂木敏充経産相が3月末までに正式に決める。発電規模によって区分を設ける案は採用されなかった。
特集2
成長か死か
中国メーカー最後の賭け
世界トップが瞬く間に経営破綻する太陽電池業界で、拡大経営が仇となり、負の遺産を抱えた中国勢。だが、欧米との貿易摩擦が測らずも、黒字転換のきっかけを生んだ。過去2年で抱えたひずみを清算するため、再び増産へ挑む。その賭けは吉と出るのか。
ショートインタビュー
ジンコソーラー 李仙徳 董事長
上海航天機電 石磊 副総経理
リアルフォースパワー ワン・ハンク 董事兼CSO
サンコムソーラー ジュディ・Q・リュウ ヴァイスプレジデント
JAソーラー 劉勇 シニアヴァイスプレジデント・CTO
「世界で最大にして最強のモジュールメーカー目指す」
インリー・グリーンエナジー ワン・イーユー CFO
「高効率セルで差別化、今年からモジュール生産を再開する」
ジンテック・エナジー 潘文輝 総経理
「世界13拠点、OEM生産でメイド・イン・ワールドを手にした」
レネソーラ 李仙寿 CEO
42
新築を強化 EPCは特高まで手を拡げる
エクソル 川勝一司 代表取締役社長
既築住宅への導入が減速するなか、全量売電はプレミア最終年度を迎える。活況の太陽光発電市場もついに今年から〝曲がり角〟との悲観論も飛び交っているが、有力インテグレータのエクソル(京都市中京区、川勝一司社長)は、どこ吹く風とばかりに成長路線を突き進む。倍々で収益を伸ばし、今期(2014年5月期)売上も1.7倍成長の460億円を着地点と予測した。いかなる新戦略を描いているのか、今年2月の役員人事で社長に再任した川勝一司氏の事業観を聞いた。
55
オリジン電気
パワコン市場に参入へ
〝電圧源〟型で差別化
オリジン電気(東京都豊島区、妹尾一宏社長)はこのほど太陽光発電用PCS(パワーコンディショナ)を開発、太陽光市場に参入する。系統側の電圧上昇を抑制して売電継続時間を拡大させる〝電圧源〟型PCSで独自色を打ち出す。今夏にも三相絶縁型10kWタイプのデモ機を量産し、事業を本格化させる方針だ。
26、40
太陽電池モジュールをリサイクル
環境保全サービス、岩手・奥州で事業化
いま順調に発電している太陽電池モジュールも、不慮の事故か、はたまた製品寿命か、やがてその役目を終える。ではそのモジュールをどう処理するべきか。ルールの策定や体制整備は太陽光業界にとって避けて通れない課題のひとつだ。
そんななか、廃ガラスのリサイクルを手掛ける環境保全サービス(岩手県奥州市、狩野公俊社長)がモジュールリサイクル事業に着手している。モジュールのガラスや金属を再利用しており、これまでに回収したモジュールは8000枚を超える。モジュールリサイクルの実態に迫る。
サンパワー、産業パネル受注拡大
超高効率23%新製品 15年発売へ
モジュール変換効率で世界トップを走る米サンパワー。日本では東芝などに住宅用モジュールを供給してきたが、2013年から産業用分野にも本格展開した。ユーラスエナジーの大規模プロジェクトの受注を獲得するなど着々と実績を伸ばす。高効率志向の商品戦略が日本でも開花した。
12~13
AUO、13年モジュール出荷300MW 〝軽量〟モジュール日本で拡販へ
HIUV、封止材3.6GW出荷
ソーラーエッジ、日本向け製品ラインナップ拡充 出荷30MW超目指す
44~53
コナジー・ジャパン、14年100MW目指す
新世紀PV会、専門委員会開催
ソーラーテックジャパン、今年100MW販売へ
明光社、工事受注22MW
旭東電気、新機能搭載の直流開閉器開発
横浜環境デザインら、二相ステンレス鋼架台開発
メディアモバイル、販売支援ソフト150社に導入
ルクサーソーラー、13年3MW販売
協栄産業、遠隔監視システム開発
翳る既築住宅マーケット、岐路に立つ地域販売店
RECソーラー、日本向け出荷250MW
日本PVプランナー協会、研修事業強化
RBIソーラー、日本へ本格進出
NGP‐FOTEC、メンテ機器レンタル開始
PV‐FCTEC、補償パックの提供開始
太陽光発電協会、『JPEA PV OUTLOOK2030』改訂
57
1)日栄インテック…架台、金具、杭基礎、3種類の新製品発売
2)住友電工…電力線通信技術でメガソーラー発電量を監視
59~61
世界市況データ(ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュールのスポット価格) / 2013年セル・モジュール生産・出荷量ランキング / セル・モジュール生産能力ランキング
発刊日 | 2014年03月25日 |
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定価 | 1,944円 |
コード | 雑誌80109-3 4910801090345 01800 |