北陸電管内 再エネ接続 無制限抑制が条件に
2017.01.30
PVeye
北陸電力(富山市、金井豊社長)は1月23日、太陽光発電設備の接続申込み容量が接続可能量の上限に達したと発表した。これにより、24日以降北陸電に接続契約を申込む事業者は無制限・無補償の出力抑制を受け入れねばならなくなった。
太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーは、天候次第で発電電力量が変動する不安定な電源である。その欠点は火力発電で供給量を調整して補っているが、例えば快晴の日に太陽光で発電した電気がいったん大量に系統網へ流れ、夜間にその供給がなくなるといった場合、既存の火力発電設備だけでは需給バランスを整えきれなくなる事態が起こりうる。その恐れから、2014年9月には、太陽光発電の接続申込みが増えすぎた九州電力が、再エネの受け入れをいったん停止し、受け付け済みの申請について回答を保留するという事態が発生した。
そこで、経済産業省は15年1月に省令を改正し、再エネ電源の接続可能量を電力会社ごとに定期的に算出することを決めた。同時に、接続可能量の上限に達した電力会社の管轄域で再エネ電源の接続を申込む事業者は、電力会社の判断で無制限に系統への逆潮流が停止され、しかも売電損失に対する補償は一切なされないという条件の受け入れが必要になった。これを指定ルールという。
昨年11月25日、経産省が開催した『第9回系統ワーキンググループ』内で、有識者らが北陸電管内の接続可能量を1100MWと算出した。その時点の接続申込み量は約1040MW。2ヵ月で60MWの申込みがあったようだ。
指定ルールの適用を受ける電力会社は、北海道、九州、東北、四国電力に次ぐ5社目である。
なお、指定ルールになったとはいえ、直ちに出力抑制が実施されるわけではない。実際全国を見回しても、九州電力管内の離島でしか出力抑制は行われていない。ただ、指定ルールによりどの程度売電損失が発生するか不透明なため、金融機関の融資が実現しにくくなる可能性は高く、今後北陸電管内では太陽光発電所の建設が伸び悩むかもしれない。
一方改正FIT法の施行に伴い、一部の例外を除き、3月末までに電力会社との接続申込み契約を締結していない案件は、取得済みの設備認定が取り消されてしまう。その分電力各社の接続可能量に余裕が生じる可能性も十分考えられる。
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