6月8日開幕の太陽光発電所運用セミナー、見どころを聞く
2017.05.29
PVeye
太陽光発電のO&M(保守・管理)と資産運用のセミナー、ソーラーアセットマネジメントアジアが6月8日から9日にかけ、東京コンファレンスセンター・有明で開幕する。国内外から40名を超す登壇者が、講演や議論を展開し、参加者は250名となる予定だ。セミナーの主催者、蘭ソーラープラザのプロジェクトマネージャー、ステファノ・クルック氏に見どころを聞いた。
――セミナーの見どころは
稼働済み太陽光発電所のアセットマネジメントとO&M(保守・管理)に焦点をあて、リスクの削減やパフォーマンスの向上を主題に据える点は例年同様だ。市場は成熟しつつあり、アセットマネジメントやO&Mの重要度は増している。
大きな見どころの1つは、個別の発電所のマネジメントではなく、所持している発電所全体の管理をいかに行うべきかというテーマを扱う点だ。発電所が増えるほど、すべてを管理・分析するのは難しくなり、考え方を変えなければならない。太陽光発電に携わる人は、この点について早めに対処する必要があると考えている。
また、発電所の取引き、セカンダリーマーケットについて昨年よりも活発な議論が起こるだろう。発電所の中古取引がますます増えてきている。日本でのセカンダリー取引のプロセスは合理化される必要があると考えており、そのためにはデューデリジェンス(発電所の査定)について理解する必要がある。
さらにインフラファンドだ。タカラレーベンに続き、いちごグリーンインフラ投資法人、リニューアブル・ジャパンが上場した。インフラファンドに上場した企業はどのように成長しているのか、彼らから学ぶことができる。
そしてO&Mのガイドラインや入札制度もセミナーの主要なテーマだ。
なお、このセミナーでは、ネットワーキングブレークの時間を他のシンポジウムなどに比べ多く設けている。単なる名刺交換では終わらない交流ができる。決定権を持つ方が集まるので、商談も早く進むだろう。
――ソーラーアセットマネジメントは北米や、チリ、イタリアでも開催している。日本の特徴はあるか
日本は、依然としてFIT制度を採用している点で、アメリカ、ヨーロッパ、ラテンの開催国とは大きく異なる。米国や欧州のような市場の場合、今ではもう新規で建設される発電所に対してはFIT制度が適用されず、入札制度やPPAに変わっていく国が多い。そんな日本の市場について理解を深めたい海外企業の方が多く参加している。日本企業の参加者にとっても普段出会うことができない外資系企業の方に出会えるチャンスでもある。
――今年で3回目の開催だが、1、2回目と違う点はあるか
今年は技術的トピックと財政的トピックで部屋を分け、セミナーが進行する。これは今回が初めての試みだ。昨年のアンケートで、O&Mとアセットマネジメントを別々に掘り下げて聞きたいという意見があり、部屋を分けることによってより深い内容の講演、議論が展開できるだろう。
また参加者は昨年より50名増え、250名になる予定だ。登壇者の顔ぶれも、多彩になっている。
――どんな方の来場を希望するか
IPP、アセットマネージャー、ディベロッパ、技術者、エンジニアなど、太陽光発電所の建設、運用に携わるすべての方がターゲットだ。ハイレベルなセミナーにすることを重視しているので、そのなかでもプロジェクトに対して決定権を持つCEOや部長職の方に多く参加していただきたい。もちろん、そういった方々に出会いたい、スタートアップ企業の方々もターゲットだ。
このセミナーは、コストの削減や発電所の性能を上げる方法について学ぶことはもちろんだが、太陽光発電が将来信頼されうる基幹エネルギー源になると信じていて、運用段階においてプロフェッショナル化とリスク軽減が重要であることを認識している方にお越しいただきたいと考えている。
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