両面発電パネルの強い味方 ファーウェイPCSで発電量を最大化

2019.09.30

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 PCS世界最大手の中ファーウェイ(華為技術)。最近の注目製品は両面発電パネルと相性のよい中型PCSだ。実力に迫った。

 発電量の向上を図るうえで、両面発電パネルの採用は有力な選択肢だ。雪が降り積もっていたり、白色の防草シートを使用していたりすると、反射光を多く取り込み、一般のパネルよりも発電量が30%以上増えるという報告もある。
 ただ、ファーウェイジャパンの担当者は、「せっかく増えた発電量がPCS(パワーコンディショナ)の性能によって失われてしまうこともあります」と警鐘を鳴らし、「両面発電パネルを採用する際は特にマルチMPPT(最大電力点追従制御)を搭載したPCSと使用することが重要です」と強調する。
 そもそも発電量は、電流と電圧の積算で求められるが、電圧値が上昇すると電流値は下がってしまう。そこで電圧と電流の積算値が最大になるよう電圧値を自動調節するMPPT回路の出番なのだが、PCSにMPPT回路がないと、両面発電パネルで反射光を取り込んでも、電流と電圧のバランスが適切でない場合、発電量が上がらないのだ。
 また、両面発電パネルを採用した太陽光発電所では、裏面の反射状況により、太陽光パネルごとの電流と電圧の差が生じやすい。同一ストリング内に電圧の高いパネルと低いパネルが混在すると、ストリング全体の電圧が低下してしまうが、「マルチMPPT回路があれば、こうした事態を過度に恐れる必要はない」(同社の担当者)のである。

6回路MPPTで発電量向上

 さらに、MPPT回路の数が多く、1本のMPPT回路が束ねる太陽光パネルの数が少ないほど発電量は増える。その点、ファーウェイの中型PCSは、MPPT回路が6回路搭載されている。つまり約10kWにつき1回路のMPPTが働く。
 同社の担当者は、「同じ容量のPCSに比べ、MPPT回路の数が多く、高い発電量が期待できます」と自信を見せる。
 同社は現在高圧・特別高圧太陽光発電所向けに最大入力電圧1100Vの50kW機と62.5kW機、同1500Vの62.5kW機を揃えている。いずれの製品も、最大変換効率は98.8%以上と高い。
 こうした性能上の優位性が市場で評価されているからか、同社は2015年から4年連続で、PCS出荷量世界一を達成している。今夏、低圧PCSがJET認証を取得した。

両面発電は世界のトレンド

 出力10kW以上の太陽光発電設備で発電した電力の売電単価は、今年度は1kWhあたり14円で、来年以降さらに下落していく。それだけに、現状両面発電パネルの市場シェアは世界で10%程度のようだが、同社の担当者は、「両面発電パネルは世界的なトレンドになりつつあります。今後日本でも導入が進むでしょう」との見方を示す。
 実際、日本で低圧太陽光発電所を毎年数百基開発しているディベロッパの社長は、「発電量データが集まれば、今後は両面発電パネルを積極的に採用していく」と方針を示す。こうした考えは徐々に広がっていくかもしれない。
 両面発電パネルを導入する発電事業者は、ファーウェイ製PCSの採用を検討してみるとよいだろう。


華為技術日本株式会社(ファーウェイ・ジャパン)
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