PCS出荷好調!

ファーウェイが選ばれる4つの理由

中国・華為技術(ファーウェイ)のPCS(パワーコンディショナ)が人気を博している。2016年は日本向け出荷量が前年比約3倍増の1GWに達したという。なぜ同社が選ばれるのか。

通信機器世界大手のファーウェイがPCSの製造を開始したのは13年だ。翌年に日本へ進出したものの、日本向けの年間出荷量は50MW程度だった。それが15年に350MW、16年には1GWの大台を突破。後発メーカーながら躍進している。なぜファーウェイ製PCSが売れているのか。

理由は4つある。1点目は、中型PCSの分散設置によるコスト優位性だろう。

FITの買取り価格が減額され、発電所建設のコスト要求が強まるなか、中型PCSを用いた分散設置のコスト優位性が15年頃から日本で認知され始めた。

それまで大規模な発電所では大型PCSが使われてきたが、今中型PCSが主流になりつつある。中型PCSで構成すれば、大型PCSを置くための造成や基礎工事、あるいは直流側の接続箱や集電箱が不要になり、施工費を削減できる。

さらに、発電所の適地減少に伴い傾斜地利用が増えているが、この場合も中型PCSは有効だ。大型PCSは平地でなければ設置できず、傾斜地での活用は難しいが、中型PCSは架台下に設置できるなど設置場所を選ばず便利である。

同社は中型PCSに特化しており、日本では分散ニーズが高まった時期に販売を本格化した。現在は変換効率98.8%の33kW機と40kW機を売り出しているが、販売は好調で、10電力会社への納入実績もある。

33kW機と40kW機の外観。大型PCSに比べ軽い上、架台下に設置できるので便利だ