売価21円でも事業化できる⁉

世界大手ファーウェイが示したPCSソリューション

発電量5%増加

第二に、発電量の向上による売電収入の増加だ。これは、同社のPCSに備わっているMPPT(最大電力点追従)機能の活躍によるものである。

MPPTとは、太陽の角度や日照量などに応じて太陽光パネル群の電流と電圧を最適なバランスに整え、出力を最大化する機能だ。通常1枚のパネルに影がかかって電流が下がると、抵抗値が上昇し、そのパネルと直列に接続されている他のパネルの発電量まで低下する。だが、MPPTが働けば、影響を最小限にとどめられる。

効果は、1台のPCSに割り当てられたMPPT回路数が多いほど大きい。ファーウェイのPCSには1台あたりMPPT回路が4つ備わっているため、発電ロスを大幅に減らせるのだ。

李氏は、「当社のPCSを選んでいただくと、1MWの発電所で約100回路のMPPTが働くので、大型PCSと比べ、発電量は大幅に増加します。山地など複雑な地形になると、効果は著しく表れます」と説く。

そのうえ、PCSの高い電力変換効率も発電量の増加に寄与している。ファーウェイのPCSには、パワー半導体モジュールが搭載されているほか、様々な稼働状況によって最大効率を実現するソフトウェアが内蔵。電力変換効率は98.8%と、他社製品を0.2〜0.5ポイント上回る業界最高水準だ。