売価21円でも事業化できる⁉
世界大手ファーウェイが示したPCSソリューション
O&Mを効率化
第三のソリューションは、O&Mの効率化によるコスト低減である。
一般に、太陽光発電所の異常を早く発見するために、常時遠隔から発電量を監視できる遠隔監視装置を利用する。ただ、発電量が低下する原因は多岐に亘り、遠隔監視装置だけでは原因を究明できない。ゆえに、パネルに影がかかって発電量が落ちる場合など、正常であるにも関わらず異常と誤認し、現場に駆けつけてしまう無駄足も少なくない。
だが、ファーウェイのPCSには、『スマート故障診断』が備わっている。遠隔からI-Vカーブを測定し、波形の変化から不具合の原因を判断する独自の機能だ。
I-Vカーブは、電流(I)と電圧(V)の積をグラフ化したもので、太陽電池が正常ならば緩やかな曲線、異常があれば乱れた波形となる。I-Vカーブを測定すれば、太陽光発電所の異常を確認できる。
I-Vカーブ測定は、技術者が現地で専用の機器を用いて実施する基本的な検査のひとつだが、日射量が一定以上なければ正確に測定できないうえ、計測時にPCSを1台ずつ停止させなければならないなど、簡単ではない。大規模な発電所になれば、全ストリングのI-Vカーブ測定に膨大な時間と費用がかかる。
しかし、ファーウェイのスマート故障診断があれば、ユーザーはいつでもストリングごとにI-Vカーブを測定できる。測定時間は数秒程度だ。しかも自動で発電低下の原因を判断してくれるため、無駄に現地へ赴くことがなくなる。O&M費を削減に繋がるのは言うまでもない。