ファーウェイ製PCSを選ぶ理由

今年3月、島根県で出力12MWのメガソーラーが稼働したが、ここでも中国ファーウェイのPCS(パワーコンディショナ)が採用されている。EPC(設計・調達・建設)を担ったパワーマックスの蘇慶社長に、ファーウェイを選んだ理由を聞いた。

3月に竣工した浜田カントリークラブMS太陽光発電所は、もともとゴルフ場だった土地を極力造成せずに活用しているため起伏が激しい。蘇社長は「こうした現場こそ、ファーウェイ製PCSのマルチMPPT機能が本領を発揮し、発電量が増えるでしょう」と期待する

3月2日に稼働した『浜田カントリークラブMS太陽光発電所』は、島根県浜田市内田町のゴルフ場跡地に立つ。18.5kWの広大な敷地内には、4万6160枚に及ぶ太陽光パネルと、ファーウェイ製27.5kWのPCSが計364台設置してある。

蘇社長は、ファーウェイのPCSを選んだ第一の理由として、「発電量が最も大きくなると期待できる点」を挙げた。

ファーウェイのPCSは変換効率が98.7%と高い。「変換効率の差は数%でも、20年間の総発電量は大きく違ってくる」(蘇社長)。

さらに、ファーウェイのPCSには1台あたりに3〜4回路ものMPPT(最大電力点追従)機能が標準搭載してある。MPPTとは、日射量の変化に応じて電流と電圧を最適なバランスに整え、発電出力を最大化する機能である。

一般的に、ある1枚のパネルに影が落ちたり、一部のパネルにだけ日が当たらなかったりすると、そのパネルが抵抗となってストリング内の別のパネルや、そのストリングを束ねるPCSの出力まで低下させてしまう。しかし、MPPTが働けば、影がかかったパネルが他のパネルの発電量を下げる影響を最小限にとどめられる。PCS1台あたりのMPPT回路が多いほど、その効果は大きい。加えてファーウェイの中型PCSは、1ストリングに接続するパネルの枚数が大型PCSに比べ少ないので、MPPTがより効果的に働く。

しかも、浜田カントリークラブ発電所は、もともとゴルフ場だった土地を極力造成せずに活用したというだけあって、敷地内は全体的に起伏が激しい。こうした現場では、各パネルの日射強度に差が生じやすい。「だからこそマルチMPPTが本領を発揮し、発電量が増加するはずです」と蘇社長は期待を寄せている。