再生可能エネルギー事業を手掛けるレノバ（東京都千代田区、木南陽介社長）が、熊本県南阿蘇村で地熱発電所の開発に乗り出す。5月21日、地熱資源量の調査実施にあたって南阿蘇村から同意書を取得。今夏から年末にかけて調査を実施する予定だ。
　開発事業はフォーカスキャピタルマネジメント（東京都港区、江村真人社長）及びデナジー（東京都品川区、中野大吾社長）と共同で行う。
　調査の対象地域は、フォーカスキャピタルマネジメント社が所有する熊本県南阿蘇村湯の谷の土地50万㎡とその周辺。対象地域には、数十年に渡って噴気がある旧阿蘇観光ホテルの熱水プラントがある。新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）が過去に行った調査でも地熱発電の有望性が指摘されており、迅速に調査が行えるという。
　調査は、地表調査と温泉モニタリングの2つに分かれる。地表調査では、地質や地表に噴出している蒸気、地中の電気や磁気の流れを測定して地下の断層や地熱貯留層の状況を推定する。
　温泉モニタリングは、周辺温泉の温度や流量、成分を定期的に測定・分析することで温泉の状況と季節変動を調べる。
　開発資金はプロジェクトファイナンスによって調達する予定。JOGMEC（独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構）の助成金も申請している。
　レノバは建設予定の地熱発電所は「小規模にとどまる」とし、今後も国内で地熱発電所の開発を計画しているという。