新電力会社のシン・エナジー（兵庫県神戸市、乾正博社長）は2022年2月16日、リコー（山下良則社長）の100%子会社、リコーインダストリー（神奈川県厚木市、戸倉正社長）に太陽光パネルを搭載したカーポートを導入したと発表した。リコーインダストリーとPPA（電力売買契約）を交わし、20年に亘って再生可能エネルギー電力を売電する。
　シン・エナジーは太陽光カーポートを宮城県柴田町内のリコーインダストリー東北事業所の来客用駐車場に設置。普通車10台用を5基導入し、直流出力を146kWとした。年間16万kWhの発電量を見込み、22年2月10日に稼働させた。設備のO&M（管理・保守）も行う。
　シン・エナジーはタカミヤ（大阪市、髙宮　一雅会長兼社長）と太陽光カーポートを開発した。設計を簡素化して製造原価を低減しつつ堅牢なスチール製を採用、 JIS（日本産業規格）や建築基準法に適合させた。雨樋や太陽光パネル間のガスケットを装着し、車両に直接雨水が当たらないように配慮した。
　リース大手のJA三井リース（東京都中央区、新分敬人社長）が設備を所有する。シン・エナジーはJA三井リースと設備のリース契約を結び、リース代金をJA三井リースに支払う。JA三井リースは環境省の『二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金』を活用した。
　リコーインダストリーは初期負担ゼロで設備を導入し、契約終了後に設備を無償で得ることもできる。リコーは17年4月、事業用電力の100%再エネ化を目指す企業連盟、『RE100』に日本企業で初めて加盟した。30年までに50%再エネ由来の電力に切り替える計画で、再エネの導入に積極的だ。