街づくり会社のヤマガタデザイン（山形県鶴岡市、山中大介社長）は2022年7月、太陽光発電のEPC企業、FD（愛知県刈谷市、鈴木政司社長）と、冠婚葬祭業のジョインの施設に太陽光発電設備を設置した。第1号案件として22年7月に稼働させた。
ヤマガタデザインは今回、PPA（電力売買契約）方式のスキームを活用した。FDに太陽光発電設備の所有・運営からEPC（設計・調達・建設）やO&M（保守・管理）まで委託し、ジョインの保有する山形市内の結婚式場に太陽光発電設備を設置した。FDはジョインとPPAを結び、20年に亘って再生可能エネルギー電力を供給する。
ヤマガタデザインはジョインが使用する電力の1割程度の5万円を山形県内の高校生約130名が所属するAI（人工知能）部に寄付するという教育還元を進めつつ、今回のモデルを広めるため、県内の企業にPPAを提案していく構えだ。
中・トリナソーラー製の太陽光パネルと、中・ファーウェイ製のＰＣＳ（パワーコンディショナ）を採用し、直流出力は約332kW、交流出力は約265kWとした。年間発電量を31万8530kWhと見込んでおり、22年7月21日の稼働後は、全量施設内で消費して総電力消費量の約17％を賄う予定である。
ヤマガタデザインは、20年間の寄付額が100万円になると試算しており、同社街づくり推進室の長岡太郎室長は、「県内の企業にPPAモデルを普及させつつ、地域の教育分野に資金を還元したい」と語った。
同社は、14年8月に設立。現在は農業生産法人を含む子会社を3社抱え、21年8月より企業向け電力プラン『ソライ電気』の販売を開始した。