ソニー（東京都港区、平井一夫社長）は4月16日、カナダ最大の電力会社、ハイドロ・ケベックと合弁会社を設立すると発表した。電力系統用の大規模蓄電システムの研究・開発を始める。新会社を6月に設立する予定だ。
　太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、天候によって出力が変動するため、出力の安定化を目的に蓄電技術のニーズが高まっている。
　研究には、ソニーのオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池と蓄電モジュール・システムの制御技術、さらにハイドロ・ケベックの電力系統の運用・制御技術とリチウムイオン電池材料技術を活用する。
　新会社の本拠はカナダのケベック州に置く。ハイドロ・ケベック社テクノロジー部門ＥＶＰ（エグゼクティブ・バイス・プレジデント）であるエリーサヒブ氏が代表を務める。
　ハイドロ・ケベックは、ケベック州営の電力会社。発電、送電、配電事業を手掛け、豊富な水力発電所を保有する。電力の効率化と蓄電などを含むエネルギー関連領域の研究開発に積極的で、同社は毎年１億米ドルの研究費を投資している。
　新会社の主な概要は以下の通り。

　社名：未定
　設立：2014年6月（予定）本社所在地：カナダ国ケベック州ヴァレンヌ市
　代表者：エリー サヒブ / Élie Saheb（現ハイドロ・ケベック社　テクノロジー部門　EVP）
　事業内容：電力系統用蓄電システムと電池材料技術の研究・開発