芝浦GHD、宮崎で電力工事負担金に関する集会開催 事業実現へ解決策模索

2014.08.21

PVeye

 芝浦グループホールディングス(福岡県北九州市、新地哲己会長兼CEO、以下芝浦GHD)は8月21日、宮崎県宮崎市のJA・AZMホール別館にて、「高鍋・西都地区上位系統工事負担金等に関する集会」を開いた。上位系統の工事負担金問題の解決策を探るため、同地区で事業を計画する1社である芝浦GHDが対象となる事業者を参集し、計画実現に向けた話し合いを行った。
 同地区では、昨年度末までに太陽光発電所の系統連系申し込みが殺到し、変圧器・送電線の設備容量超過が発生。上位系統の増強工事が必要となり、その高額な工事負担金のために、事業者が計画の見直しを余儀なくされているという。同地区で設備対策が必要な事業者の本検討申込量は約130MW(2014年6月末時点)。現在、九州電力からは、工事負担金約27億円、目安工期5年程度を提示されている。上位系統の対策工事費は、最初に系統連系する事業者がいったん全額を支払い、その後3年以内に同一系統に接続する事業者が按分して負担する形となっているが、単独事業者では負担額が大きいため、今回、対象となる事業者間での話し合いの場を設けたとしている。
 集会を主催した芝浦GHDは、宮崎県西都市にて、約1.5MWの太陽光発電所を計画。2013年11月に事業用地の土地売買契約を交わし、2014年3月には九州電力から工事負担金の概算額が約390万円と回答があったため、事業化を決定し、土地を購入した。ところが、その後、九州電力から「上位系統の増強工事が必要で、工事負担金は数10億円」との連絡を受けたという。「当初、工期は1~2年と聞いていたが、今では5年が目安。工事負担金も10億円だったものが、最終的には約27億円になると言われている」(芝浦グループの新地洋和ニューガイアエナジー社長)。
 集会には、約50社の事業者が参加。芝浦GHDの新地哲己会長は、「本来であれば、経済産業省や九州電力が事業者を集めて説明する義務があると思うが、なかなか動いてくれない。ここにいる人は被害に遭っているも同じであり、この問題は九州に限らず全国に拡がっている。同じような状態で泣き寝入りをしている事業者さんも多い。そのなかで今回、我々が作成した書面を、九州電力を通じて関係各社に流してもらう形で皆さんに集まっていただくこととなった。まず我々で集まり、どのように解決していくか、意見交換をしていきたい」と述べた。
 参加者からは、「この集会の意見をもとに国に対して(増強工事の)補助金を求めた方がいいのでは」「やらない方向ではなく、やる方向を向いてほしい」「今回集まった会社で変電所を作り、そこから九電の設備に流す選択もあるのではないか」「電力会社が提示する工事負担金はそもそも妥当なのか」「地域の事業者協議会のような団体をつくってはどうか」といった声も上がった。ニューガイアエナジーの新地社長は、「我々もこの集会で答えを出したいという思いはあったが、27億円の工事負担金も申し込み容量によって変動すると言われている。分母と分子がはっきり決まらないと答えは出せない。東京電力は自らが主体となり、工事負担金の入札募集を始めている。この集会が、電力会社が主体となって情報を公開し、こういった増強工事に取り組むという方向性を打ち出す問題提起の一つになれば」と話した。

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