経産省、土壇場で再エネ買取りルールに関する省令・告示内容を変更 施行時期も後ろ倒しに
2015.01.22
PVeye
経済産業省は1月22日、再生可能エネルギーの買取りルールを改正すると発表した。
当初、1月13日にも発表されると見られた省令改正だったが、自民党内から9日に締め切られたパブリックコメントを事実上、無視しているといった批判が続出。さらに性急な改正は混乱を生むとの配慮から、経産省主導のFIT制度の見直しに“待った”をかけていた。
結局、22日に発表された改正内容は出力制御の範囲拡大と、上限を360時間の時間単位へと変更するという規定路線のほか、遠隔出力制御システムの導入義務化などによって、接続可能量の拡大を図るというもので着地。
また1月26日に施行、省令の一部及び告示は、当初予定された2月1日から、2月15日に施行される運びとなった。
一方、賛否両論を巻き起こした太陽光発電に関する出力抑制は、これまでの500kW以上の発電所に義務付けていた出力制御を、一般家庭用まで含む500kW未満の小規模設備にまで拡大することが正式に決定。「住宅用太陽光は適用外」とする声は届かなかった形だ。
それとともに上限を30日の日数単位から360時間の時間単位へと変更。しかし、系統にまだ余裕があるとされた東電、中部電、関電の3電力管内では50kW未満の発電所は出力制御の対象外とし、残りの7電力管内においては、10kW未満の一般家庭用は3月末まで出力制御の対象外とする措置が取られた。
また、指定電気事業者に指定されている7電力管内においては、接続可能量を超えた時点において、無制限かつ無補償の出力制御が適用される。
なお、経産省は昨年12月18日付で再エネの最大限の導入に向けたFIT制度の運用見直しについて、関係する省令・告示改正案に対してパブリックコメントを実施。それを踏まえて、新しく対応策を追加している。その内容は、①接続可能量の定期的な検証を行う。②出力制御ルールの適正化、その遵守状況をチェックする仕組みの整備を進めるとし、4月に発足する広域的運営推進機関が、送配電等の業務に関するルールを策定するとともに、一般電気事業者による再エネ電源への給電指令についても、ルールの遵守状況をチェックすると規定。また電力会社による出力制御に関し、広域機関が一元的に公表する。③出力抑制期間を公表することで、再エネ事業者の予見可能性を確保するとし、年に1回程度改訂する。④系統線利用ルールを見直すとともに、地域内系統および地域間連系線の強化にかかる費用の新たな分担方法なども検討。遅くとも15年度中に成案を出すというもの。
一方で、太陽電池の軽微変更をめぐる禁止措置については、混乱への配慮から、当初予定していた2月1日から2月15日に延期。現場からは安堵の声も広がるが、「軽微変更ラッシュはまだまだ続く」と土壇場の延長に振り回されている現状を嘆く声も多い。
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