誰でもわかる!! 10電力からの切り換え講座

2015.05.01

ENERGYeye

 お得な料金プランがあるなら、スイッチング(切り換え)したい。そんな情報感度の高い人は多いはず。だけど、生まれてはじめてのスイッチング。「そもそも新電力って何なの?」「本当に安くなるの?」「やっぱり切り換えって面倒なんでしょ?」

 そんな疑問にお答えするため、10電力からの切り換えマニュアルをお届けします!

 ご存知ですか?
 “電力会社は選ぶ時代”に入っています

 ご存知だろうか?実は自由化は2000年頃から段階的に始まっており、いまでは大中小規模の工場から、デパートやオフィスビル、マンションまで、販売電力量のうち、約60%が電力会社を自由に選ぶことができ、残すは一般家庭を含む規制部門だけということを。
 なかでも新電力が注目を集めるきっかけになったのが東日本大震災。10電力が値上げ発表をするたびに、新電力への相談は急増。14年12月時点でのスイッチングシェアは5%を超え、新電力はすでに570社を超えている。新電力の販売ランキングを見てみると、大企業から意外と身近な企業まで、電気を供給していたことがわかるはず。

 彼らのことをよく知るその前に、まずは電気料金のしくみからおさらいしよう。

 みなさんが毎日欠かさず使う電気、その料金は基本料金、電力量料金、燃料費調整額、そして再生可能エネルギー発電促進賦課金から構成されている。この料金体系を基礎として、大手電力は使う電圧に応じて、特別高圧、高圧、低圧3つの料金プランを用意している。そのなかでも、もっとも身近な料金メニューが低圧=一般家庭向けだろう。
 ただ、この家庭料金、料金単価がさらに3段階で設定されており、少々、複雑。かいつまんで説明すると、電気の使用量が少なければ、料金単価も安く、使う量が多ければ、単価も割高になりますよ、というしくみだ。スマホやガラケーでメールを見たり、インターネットをしたり、電話で話す、その通信料を思い出せばわかりやすいかもしれない。
 だが、3・11以降、相次ぐ値上げによって電気代は上昇。震災前と比べ家庭向けは約20%、産業用は約30%も高くなっている。
 昨年末、関電が家庭を含む規制部門に対し、2回目となる10・23%の値上げ申請をしたことも記憶に新しいところ。また北海道電力は4月から値上げに踏み切る予定だ。実際、10電力の一般家庭向け料金を試算してみても、北海道電力が9308円ともっとも高く、今後も値上げ気配は収まりそうにない。
 値上げをされる前に、おサイフに優しい電力切り換えで、企業や家計の負担を少しでも減らしたい。誰もがこう考えるのでは。

 では、次にスイッチングをしたらどうなるのか。すでに自由化されている50kW超の部門で、切り換えシミュレーションをしてみよう。

 使い方を見直すだけで、電気代が安くなる!?

 電気代を安くする方法は、まずは電力会社を選ぶこと。新電力へ気軽にコンタクトを取り、見積もりをもらって、じっくり切り換え先を選ぼう。でも、電気料金の引き下げ方法は、これで終わりではない。

 実はピークカットやピークシフトと呼ばれる電気の使い方を見直すだけで、基本料金や電力料金単価を下げる方法があるらしい。さっそくこの2つの方法について学ぼう。

 STEP1 基本料金を下げるには「ピークカット」

 基本料金を下げるには、契約電力を下げる必要がある。この契約電力、500kWを超える場合は電力会社との協議となるが、500kW未満なら、最大需要の電力の値によって自動的に更新されていくしくみ。
 たとえば、契約電力はもっとも電力を消費した月の値が適用されることになる。しかし、常に契約電力まで使用することは一般的にほぼないため、一時的に多くの電力を使ってしまうと、翌年の基本料金が上がってしまう。
 「あのときもう少し節電していたら、基本料金は上がらなかったのに…」なんてことが起きかねないのだ。そこで重要となるのがピーク時の電力を抑えて、最大需要電力を下げる“ピークカット”。ただし、企業活動をしながらの節電には限界があることも事実。そのため太陽光発電など自家発電を取り入れて、ピークカットに励む企業が登場している。

 STEP2 電力料金単価を下げるには「ピークシフト」

 電力需要が高くなる平日昼間などのピーク時間帯は、電力料金が高く設定されているもの。そうしたなかで、電力量料金を下げるためにはどうすればいいのだろうか。答えは簡単、同じ電気を使うのだから、夜間や休日など電気料金の安い時間帯で使えばいい。
 電力ピークを電気料金の安い時間帯に使用量をシフトさせる、というこの考え方は、“ピークシフト”と呼ばれている。これなら、洗濯機を回す時間を夜11時以降へ、炊飯器は朝使おう、といったように、ご家庭でも比較的簡単に実践できるはず。
 これらの知識を身につけ、実際にスイッチングした事例は結構、多い。たとえば大阪府なら、府が所有する72施設を新電力に切り換えることで、一般電力から購入した場合の電気料金と比べて、年間4800万円の削減に成功した例も。
 とはいえ、一般家庭の自由化はまだ1年も先のこと。「いま電気代を安くできるのは、自治体や企業だけでしょ」と思う方がいるかもしれない。でもちょっと待って、それは早合点というもの。実は一般家庭でもマンションにお住まいの方なら、スイッチングが可能になるかもしれないんです。

詳細はENERGYeye創刊号まで

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