NEDO、太陽電池開発事業の採択先を決定 2030年までに発電コスト7円/kWhへ

2015.06.04

PVeye

 新エネルギーの開発支援を行うNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が高性能と高信頼性を両立した太陽電池の開発に乗り出す。6月4日、研究開発テーマと採択先を決定した。太陽電池のグリッドパリティの実現を目指す。
 NEDO は2014 年 9 月に「太陽光発電開発戦略」を策定した。そこで太陽光発電の発電コストを20年までに14円/kWh、30年までには7円/kWhまで低減するという目標を掲げた。それを実現するために、今回「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」の実施体制を発表した。
 総事業費は262億5000万円で、このうちNEDOは8割超を負担する予定だ。事業期間は15年度~19年度までを計画している。
 研究開発テーマと採択先22件の詳細は以下の通り。

①「先端複合技術型シリコン太陽電池、高性能 CIS 太陽電池の技術開発」
・基盤技術開発による先端複合技術セルのための低再結合電極の研究開発(ナミックス)
・低コスト高効率セル及び高信頼性モジュールの実用化技術開発(京セラ)
・結晶Si太陽電池をベースとした複合型太陽電池モジュールの開発(カネカ)
・高効率バックコンタクト型太陽電池の量産技術開発 (シャープ)
・赤外線FZ法による高品質低コストシリコン単結晶の開発(クリスタルシステム)
・高発電効率・低コスト太陽電池スライスプロセスの加工技術構築(コマツNTC)
・太陽電池用原料品質の最適化及び結晶欠陥の評価技術の開発・制御(トクヤマ)
・CIS太陽電池モジュール高性能化技術の研究開発(ソーラーフロンティア)

②「革新的新構造太陽電池の研究開発」
・超高効率・低コストⅢ‐Ⅴ化合物太陽電池モジュールの研究開発(産業技術総合研究所(産総研)、シャープ他2社、東京大学他7大学)
・ペロブスカイト系革新的低製造コスト太陽電池の研究開発(パナソニック他4社、東京大学他1大学)

③「太陽電池セル、モジュールの共通基盤技術開発」
・Cat-CVD など新手法による高性能太陽電池低価格製造技術の開発(北陸先端科学技術大学院大学)
・薄型セルを用いた高信頼性・高効率モジュール製造技術開発(産総研)
・先端複合技術シリコン太陽電池プロセス共通基盤に関する研究開発(豊田工業大学他5大学)
・CIS太陽電池高性能化技術の研究開発(産総研、東京工業大学他5大学)

④「共通基盤技術の開発(太陽光発電システムの信頼性評価技術等)」
・太陽電池性能高度評価技術の開発(産総研、電気安全環境研 究所、東京理科大学他3大学)
・太陽光発電システムの高精度発電量評価技術の開発 (産総研、電力中央研究所、日本気象協会、佐賀大学)
・ZEB適用型太陽電池モジュールの長期信頼性評価技術の開発(カネカ)
・レーザー技術を用いた太陽電池モジュールの寿命予測検査技術の開発とその標準化(日清紡メカトロニクス、奈良先端科学技術大学院大学)
・太陽光発電の寿命予測ならびに試験法の開発(産総研、東レ他1社、石川県工業試験場、東京理科大学他3大学)

⑤「動向調査等」
・動向調査(みずほ情報総研)
・動向調査(資源総合システム)
・IAE国際協力事業(資源総合システム)

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