日本アジアG、小水力発電設備納入

2015.07.01

ENERGYeye

 再生可能エネルギーの発電事業を推進している日本アジアグループ(JAG、東京都千代田区、山下哲生社長)は7月1日、自社製の流水式小水力発電設備が滋賀県で稼働したと発表した。大阪ガス(本荘武宏社長)が同日より発電事業を開始。民間企業がFIT制度を活用し、出力100kW以下の小水力発電事業を行うのは国内初という。
 滋賀県長浜市高月町の湖北土地改良区にある約1mの落差工で、JAG製出力15kWの小水力発電設備が稼働した。同地区には、JAGの10kW機も設置済みで、9月に稼働する予定である。
 日立キャピタル(三浦和哉社長)が、鴻池組(蔦田守弘社長)にEPC(設計・調達・建設)を発注した。大阪ガスが日立キャピタルから設備を借り受け、発電事業を運営する。大阪ガスは新電力のエネット(武田勉社長)に発電した電力を売り、1年あたり450万円の売電収入を見込む。
 一般に小水力発電は、高所から低所へ流れる水の力で水車を縦に回し、発電する。しかしJAGの小水力発電設備は、「水量がある程度あれば、ほとんど落差のない水路にも設置が可能だ」(同社)。集水板という下方に四角い穴を開けた板を、2つの垂直軸水車の前に設置。水は集水板の穴から流れるため、一部せき止められることで水圧が増し、水車を回転させる仕組みである。
 同社は「流水式小水力発電設備は、既存水路の改変が不要で、あらかじめ組み立てた状態で現地へ搬入できる。設置工事は3日程度。3m以下の低落差水路において最適化されたシステムだ」という。
 小水力発電はCO2を排出せず、24時間発電が可能で、省スペースで設置できる。非常用電源としての活用も期待でき、今後広まる可能性もある。

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