NEC、米国に大型蓄電システム納入 3.9MWh
2015.07.07
PVeye
日本電気(NEC、東京都港区、遠藤信博社長)は7月7日、米カリフォルニア州の電力会社に大型蓄電システムを納入したと発表した。蓄電池の充放電容量は計3.9MWh、出力は2.4MWにのぼる。同州では蓄電池の導入を進めており、NECは約400MW分の蓄電池システムの出荷を目指す。
同社は、米電力会社『サザンカリフォルニア・エジソン』(SCE)にリチウムイオン蓄電池システムを納入した。ラックの中にリチウムイオン蓄電池とPCS(パワーコンディショナ)のほか、充放電を制御する装置や昇圧機などを組み込んでシステムを構成。ラックの数は計39台にのぼった。
同社は「出荷前に全ての機器を高レベルで設計・テストしているため、現地での調整を最小限に抑え、組み立てから試運転までを7週間という短期間で完了した」といい、蓄電システムは「いつでも稼働できる状態にある」と述べた。
変動電源である再生可能エネルギーが大量に送電網に流れると、安定的な電力供給が難しくなる。蓄電池を設置し、需要量に対して超過した電力を貯め、必要に応じて放電すれば送電網への負担を軽減できる。
カリフォルニア州は、2020年までに州内の総電力供給力に占める再エネ電力の割合を33%以上に引き上げ、30年までにはさらに50%以上に拡大する目標を掲げている。またカリフォルニア州公益事業委員会は、SCEのほか、『パシフィク・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー』と『サンディエゴ・ガスアンドエレクトリック』の3電力会社に、2024年までに1300MW分の蓄電池の導入義務を課している。
NECはそのうち、30%のシェア獲得を目指している。仮に今回と同じ仕様の蓄電池を導入するとなれば、蓄電池の充放電容量は合計で650MWh規模となり、受注額は1300億円にのぼる見込みだ。
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