台湾の太陽電池モジュールメーカー、ウィンアイコ（新竹市）は10月14日、耐久性を高めた新型モジュールを発表した。台風に強いモジュールとして、日本や台湾で拡販していく狙いだ。
　新製品は60セル275Wで、モジュール変換効率が16.5％である。特徴はヒートキャップとWSPフレームという2つの技術で耐久性を高めた点だ。
　ヒートキャップはセルの裏面に炭化ケイ素の膜を塗布して強度を高める同社独自の技術。「通常のセルに比べ、15％程度垂直方向の荷重に対する強度が増す」（同社）。
　同社はセルを他社から調達し、自社で加工する。これまでヒートキャップをオプションで提供していたが、新製品では標準搭載する。　
　WSPフレームはフレームを構成するパーツの数を増やして荷重に対する耐久性を高める技術だ。従来品では4本の部材をコンプレッサで圧縮してフレームを形成していたのに対し、WSPでは4隅にフレーム同士をつなげる部品を使用し、8つのパーツでフレームを構成する。
　結晶系太陽電池の安全性国際認証規格『IEC61215』は、耐荷重5400Paを要求する。WSPフレームを導入したことで、新製品はその基準を上回る「7200Paの荷重に耐えられる」（同社）。
　同社が本社を構える台湾では今年8月、大型台風が太陽光発電所を襲い、「台湾の南部だけでも被害総額は1億2000円に上った」（同社）。そこで同社は台風が頻繁に通過する日本や台湾向けに耐久性を高めた新製品を開発した。台湾工研院と、モジュールに4000Paの圧力を1000回繰り返し与える荷重試験を実施。その後出力劣化率を調べたところ、従来品では2.32％だったが、新製品は0.175％だった。同社は新製品を「台風対策モジュールとして、台湾と日本で販売していく」。
　今後60セル310W、モジュール変換効率18.6％の製品の発売も予定している。従来品から出力を5W、変換効率を0.3ポイント上昇させた。
　10月14日、台湾における太陽光発電の展示会『PV台湾』で2つの新モジュールを展示した。来年1月に日本で発売予定だ。