SMAパワコン 人気の秘密 日本で累計出荷1GW突破
2015.12.15
PVeye PR
独SMAソーラーテクノロジーのPCS(パワーコンディショナ)が日本で人気を博している。高効率で耐久性に優れ、豊富な製品数や充実したサポート体制も定評だ。日本上陸から4年半、累計出荷量は1GWの大台に乗った。人気の秘密を探る。
SMAは、出力換算で40GWに及ぶPCSを世界20ヵ国に拡販してきた。PCSの製販では、長く世界トップに君臨しており、日本市場でも販売を急速に伸ばしている。
日本法人SMAジャパンを立ち上げて、日本でPCSを売り始めたのが2012年8月。以後わずか3年で、500kW以上の大型PCSを1000台、9.9kW~25kWの中型PCSを1万台、3.5kWと4.5kWの小型機は4万4000台出荷し、累計出荷量は今年9月末で1GWに達した。
SMAジャパンの今年12月期の出荷数量は昨年度比50%の大幅増が確実で、来期以降も続く見通し。発電事業者は設備認定を取得後もPCSのメーカーを変更できる。太陽光発電所の建設が本格化するなか、SMAへの切り替えが進んでいるのだろう。ではなぜ同社のPCSが売れるのか。
魅力のひとつが高い電力変換効率。太陽光パネルで発電した直流電力を交流電力に変換するPCSの基本性能であるが、これがSMAの製品は業界最高クラスだ。SiC半導体などの高価なデバイスを利用しなくても、シンプルな技術で高効率化を実現させており、とくに朝夕の低照度時の効率が高く、実発電量を多く稼げる。
耐久性も優れている。国産大型PCSの多くは、最近までPCSをエンクロージャと呼ばれるコンテナのなかに設置し、冷却設備を併設しなければならなかったが、SMAのPCSはこれが要らない。SMAの独自技術である〝Opticool(特許取得済)〟を使用し、冷却設備なしで屋外での使用を実現している。しかも「10年で交換」の国産PCSに対し、SMAの設計寿命は20年。SMAを採用すれば、維持管理コストを大幅に抑えられる。
また、SMAは製品数が多く、新たなニーズの取り込みに成功している。日本では住宅用の小型PCSから500kWを超える大型PCSまで取り揃えているが、今年9月に発売した25kW中型PCSの人気が上昇している。50kW~2MW未満の高圧発電所に25kWPCSを数十台設置する〝分散設置〟のニーズが拡大しており、出荷を伸ばしているのだ。
太陽光発電所の建設用地に向く平地が減少しており、大型PCSを運ぶ大型車両が通れる道が舗装されていないことも珍しくない。設置の自由度が利く中小型PCSは扱いやすいのだろう。
充実したサポート
こうした製品力に加え、SMAはユーザーへのサポート体制を強化している。万が一PCSが故障した場合の機器保証だ。中小型PCSのユーザーには、通常2営業日以内に代替品を発送する。ユーザーは故障品と新品を付け替えればよく、専門の技術者がいなくても簡単に復旧できる。
大型PCSのユーザーへは、部品が壊れたときに部品を支給したり、故障したPCSを現場で修理したり、2年に1回の定期点検や遠隔監視サービスのほか、PCSの不具合で発電が停止した場合にあらかじめ契約した稼働率に満たない分を補填する稼働日保証も用意している。
製品の出荷時に、大型PCSと中型PCSには5年、小型PCSには10年の機器保証を無償で付与し、全機種とも最長20年までの延長保証を有償で提供している。
SMAジャパンは、オフィスに大型PCSを設置し、施工業者やO&M業者に技術講習会を開催している。PCSの施工方法やトラブルシューティング、定期点検やエラーログの確認方法に至るまで、細かい技術を提供している。
「メガソーラーはSMA製25kWで決まり」 三宅電気工事 山口浩司統括部長
足かけ18年にわたって太陽光発電所の電気工事に携わった三宅電気工事(兵庫県神戸市)統括部長の山口浩司氏。多くのPCSを現場で扱ってきた氏が、最後に選んだのはSMAだった。
当社が太陽光発電所の施工を始めたのは1997年です。当時10kWを超える太陽光発電所の建設需要はごくわずかで、太陽電池メーカーが工事まで手掛けていましたが、当社は電気工事会社ですから、当初から自社施工にこだわってこれまでやってきました。
やがてFITが始まるのですが、長く建設業に携わった経験から建設後の不具合に関して知見があったので慎重でした。大きなものでも500kW、100kW未満が中心、メガソーラーの工事や設計を本格的に始めたのは13年以降です。
当社が自信を持って営業できるようになった背景には、SMAさんとの出会いがあります。PCSに対する不安感が払拭されたのです。
PCSは国産品が一番と考え、塩害地域にPCSを設置する場合はエンクロージャが必須と思っていました。エンクロージャにはPCSを冷やすエアコンを設置するので、3年に1回の100万円程度の設備交換費と毎月2~3万円の電気代がかかりますし、何よりもエアコンの故障によるPCSのトラブルを想定しなければならなかったのです。
そのため13年2月の展示会で塩害地域にもそのまま設置できるSMAさんのPCSを知ったときは目から鱗でした。いまではSMAの製品を事業者の方々に強く提案しています。
最近は計5.5MWの案件を設計から引き受けましたが、5つあるすべてのサイトでSMAの製品を採用しました。まず昨年12月に連系したパネル出力2.3MWに700kWPCSを3台設置し、発電効率向上を目的とし日本初導入となるTCSを3台使用しました。次の230kWサイトには20kWPCSを9台、1.3MWサイトには800kWPCS1台と20kWPCS6台で、今年5月稼動の580kWサイトには500kWPCS1台です。10月に完成した1.3MWサイトでは25kWPCSを43台分散設置しました。
今後のメガソーラー建設では、中小型PCSの分散設置が主流になるでしょう。分散設置はPCSの台数が多く、ケーブルの数が増え、施工の手間もかかりますが、1MWあたりの施工費が100万円~300万円上がる程度。総工費は2.5億~3億円だから微々たるものです。
これに対してメリットは大きい。最近は、近くに建物が立っていたり、木が生い茂っていたりして、夕方になるとパネルの一部に影がかかるケースが意外と多いのですが、大型PCSを使ってパネルを直列に繋ぐと、影のかかったパネルの発電低下に引きずられて全体の発電量が落ちてしまいます。分散設置は20~25kW単位の並列接続のため、影のかかったストリング以外のパネルはきっちりと発電します。トータルの発電量はそれほど落ちません。
ここでSMA製PCSを使えば、明け方や夕方などの低照度時の効率が高いため、1日の発電量は増えると思って間違いないでしょう。実際、25kWPCSを導入した発電所と、他の発電所で発電効率を比較すると、短期間の発電データですが、25kWPCSを導入した発電所の方が、約5%発電効率が高かったのです。
分散設置は、PCSの故障リスクを軽減してくれます。大型PCSが1台停止すると、復旧までに時間がかかるので大きな売電損失を被りかねないが、分散設置であれば、数十台が1度に壊れることはまずない。銀行もシビアに見ていて、分散設置の方が、融資が有利に運ぶようです。
SMAさんのサポートは充実しており、中小型PCSであれば、万が一故障しても24時間以内に新品を届けてくれるので損失をミニマム化できます。日陰や塩害の影響を受けにくい25kWPCSは、山間部や海岸部にあったPCSだと思います。
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