通信設備工事の大手、日本コムシスの子会社である日本エコシステム（東京都港区、白髭博司社長）は３月16日、4月1日より開始する家庭向け電力小売り事業の料金プランを発表し、18日に説明会を開催した。
　同事業は、戸建て住宅の家庭を対象に、日エコが契約者の住宅にソーラーフロンティア製の太陽光発電設備を設置する。20年間は日エコの所有物となり、20年後は無償で発電設備を契約者に提供する。
　契約者は、初期費用0円で自宅に太陽光パネルが設置され、発電した電力を直接家庭内で使用できる。夜間や曇りの時など太陽光が発電しない時は日エコが別途電気を提供する。
　料金は、太陽光で発電した電気は27円／kWh、その他は各エリアによって異なるが、現在の料金より数％安い料金とする。東京電力管内に住む一般的な電気使用量の家庭（契約電流40A、月の使用量392kWh）の場合、現在の電気代より1ヵ月で約450円安くなると試算している。供給エリアは積雪地域を除く、東北、東京、中部、関西、四国、中国、九州電力管内。申込みはWebまたは電話となる。
　契約年数は20年と長期に亘るが、契約経過年数に応じた金額で太陽光発電設備を買取る場合は、途中解約も可能。たとえば200万円相当の太陽光設備の場合であれば、20年で割ると1年あたり10万円なので、残り10年であれば100万円となり、これに一定の手数料が加わる。
　記者説明会で、日本エコシステムの白髭博司社長は、「じぶん電力は太陽光電気を直接使う自家消費モデルだ。環境に優しく、再エネ賦課金や系統負担も軽減できる。太陽光を導入したいが、初期費用が高く、断念された顧客に提供したい」と語った。
　搭載する太陽光パネルの出力が50kW未満であれば、法人でも申し込める。出力10kW以上でも、住宅用と同様に余剰買取り制度を活用する。余剰買取り制度の期間は10年間だから、11年後の余剰電量の買取り単価は分からないが、「新電力として我々の電源とする、あるいは10年後には単価が下がっていると思われる蓄電システムを契約者の家庭に導入して発電した電力を活用するなど、検討している」（白髭社長）という。
　住宅用も含めて、設置するパネル容量は現地調査などを行った後、決定される。16年度、17年度の2年間で1万棟の契約を目標とする。