シャープは5月25日、住宅用太陽電池モジュール『ブラックソーラー』シリーズの新製品を発表した。従来品に比べ接続セル数を増やして大型化した上、変換効率を上昇させた。8月25日より販売を開始し、発売初年度は80MWの販売を目指す。
　同社が発表したのは、出力256W、モジュール変換効率19.6％の単結晶型である。6インチセルを48枚接続。従来品に比べ接続セル数を6枚増やし、出力が36W増えた上、変換効率も0.5ポイント上昇した。
　ブラックソーラーで用いるセルは、受光面に電極を配置せず、裏面に集めたタイプだ。さらにセル同士は、一般的なインターコネクタ数本でつなげる形ではなく、プラスとマイナス合わせて200本以上の銅電極で結ぶ。200本の銅電極を配置したシート基盤の上にセルを張り付けるこの技術により、送電効率が３％上昇するという。
　ただし配線シート構造では、ガラス、セル、配線シート、バックシートを加熱しながら圧着する際、「各素材の熱に対する膨張や収縮の反応が異なるため高い精度が要求され、モジュールサイズの大型化が困難だった」（同社）。
　そこで同社は「数億円規模の投資を行って製造装置を改良した」（エネルギーソリューションカンパニーソーラーシステム事業部の桃井恒浩事業部長）。配線パターンの形状を変えるなどして、大型化、高効率化を実現した。
　外形寸法は幅131.8cm×奥行99cm×高さ4.6cm。希望小売価格は税別14万6400円である。