太陽光発電システムの企画販売を手がけるたまエンパワー（東京都多摩市、山川勇一郎社長）は、10月29日から体験型施工サービスの提供を開始した。陸屋根用太陽光システムの施工の一部を、発電設備を導入する建物のオーナーや一般参加者が担うというもの。施工コスト削減に加えて、体験という付加価値をつけることで、普及の遅れている陸屋根での太陽光システム設置を推進する。
　提供を開始した「DiO」は、企業や学校などの陸屋根向けのサービスとなる。電気配線などの専門作業は施工店が担い、設置位置の墨出しやパネルの運搬、架台の据え付け工事などを建物のオーナーや一般の参加者が行う。作業工程を分担することにより、施工にかかる人件費が削減できるという。
　架台はドイツK2社製の『D-Dome』を採用した。同製品は、取付に基礎やコンクリートを使用せず、バラストと呼ばれる石材を架台に乗せることで固定する。通常の陸屋根用架台と比較して屋根に穴を開けず、荷重負荷も少ないことが特徴だ。
　たまエンパワーの山川社長は体験型施工サービスについて、「架台にD-Domeを採用すること自体がコスト削減だが、工程の一部を参加者が担うことで、学びを得ながら施工にかかる工数やコストをさらに削減できる」とアピールする。山川社長は同サービスの普及により、一般的な陸屋根用架台よりも25％の設置コスト削減を目指したいという。
　同サービスは、たまエンパワーの他に、ドイツ太陽光商社の日本法人であるクラニッヒソーラー（愛知県名古屋市、川畠義史代表）と販売施工会社の太陽住建（神奈川県横浜市、河原勇輝社長）の3社が協働で開発した。原案を企画したという太陽住建の河原英信会長は、「展示会で親子を対象にソーラー発電で動く玩具を配布したところ、簡単な仕組みにも関わらず大変人気があった。それを普及が遅れている陸屋根用の太陽光発電にも活かせないかと考えていた」と開発の経緯を語る。
　今後は、たまエンパワーがパートナー企業を集い、同社が運営するフランチャイズ制度により展開していく予定だ。