加・カナディアン、新型パネル2種発売

2017.07.27

PVeye

 太陽光パネル大手のカナディアン・ソーラー(加・オンタリオ州、ショーン・クゥCEO)が7月、新型パネルを2種発売した。一般サイズの半分のセルを搭載したハーフカットセルパネルと、細かく裁断したセルを張り合わせてバスバーをなくし、受光面積を増やしたカットセルパネルである。PCS(パワーコンディショナ)や架台と組み合わせ、パッケージ化して販売していく。
 ハーフカットセルパネルは、一般的な大きさの半分のセルを貼合わせたパネルである。120セル型と144セル型があり、それぞれに単結晶と多結晶型が揃う。例えば、単結晶120セル型は、出力295W、変換効率17.75%で、同144セル型は出力355W、変換効率は17.89%である。
 一般的に高出力のパネルほど稼働時の温度が高く、局部的な異常発熱、いわゆるホットスポットの発生リスクやバイパスダイオード故障の可能性が高まる。
 同社はこの問題を解決すべくハーフカットセルパネルを開発した。カナディアン・ソーラー・ジャパンの山本豊社長は、「ハーフカットセルパネルの場合、電流値が従来のパネルの半分になり、パネル稼働時の温度は従来品より20~25度下がる。また電流の損失は、抵抗値と電流値の2乗だから、電流が半分に下がれば電流損失は4分の1まで落とせる」と利点を説く。
 山本社長は、「2009年から開発を始め、翌年10MW設置したが、まだ1度もホットスポットが起きていない。経年劣化も少ない」と自信を見せる。
 もう1つの新製品、カットセルパネルは、バスバーに沿ってセルを切り、それを張合わせたパネルだ。バスバーがない分受光面積が増え、出力が向上する。出力260W、変換効率19.22%の製品と、出力325W、変換効率19.16%の2がある。
 山本社長は、「技術自体は珍しくないが、横置きを可能にした点が当社の特徴だ。同タイプの他社製パネルは、カットしたセルを貼合わせる際、セルの向きに制限があり、影による発電低下の影響を受けないために、縦置きしなければならなかった。その難点を解消した」と話す。
 同社は2種の新製品を、住宅・産業用パッケージに組み込んで販売していく。
 なお、7月4日には東京都港区のカナダ大使館で新製品発表会を開催し、ショーン・クゥCEOが登壇した。

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