[特別対談第10回]ハンファQセルズジャパン東洋一執行役員×ESI土肥宏吉社長 市場観測2017

2017.02.01

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 ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長とキーパーソンの特別対談。お相手は日本市場で販売シェアを伸ばす韓国のパネルメーカー、ハンファQセルズジャパンの東洋一執行役員だ。2017年の市場予測と展望について意見を交えた。

土肥氏●貴社は、日本市場で、住宅用から低圧、高圧、特高まで、全方位に展開し、販売も好調のようですが、2016年はどのような1年だったのでしょうか。

東氏●お陰様で16年は、年初の計画を達成することができました。住宅用、低圧用、産業用と、各分野でそれぞれ販売目標を定めていたのですが、どれも前年よりも販売シェアを伸ばすことができました。パネルメーカーとして、一歩前進できたと思っています。

土肥氏●軽微変更ルールが変わり、発電事業者の方々は太陽光パネルを変更され、新しく設計し直されていますが、ハンファQセルズさんの人気が非常に高いので驚きました。なぜ、貴社は日本市場で販売シェアを伸ばすことができたのでしょう。

東氏●理由は主に3つあると思っています。1点目は、性能や品質、価格も含めて商品力が高かったことです。2点目は、当社の製品がお客様の間で認知され始めたこと。外資系企業に対する先入観をいい意味で払拭できました。
 そして3点目は、かねてより気を配ってきた営業手法が功を奏したとでも言いましょうか。日本の太陽光発電市場は、長らく国内メーカーの方々がつくってこられた市場です。そこへ4〜5年前に参入し、商売させていただいているので、日本の商慣習を乱さずに、日本の市場に受け入れられるよう、丁寧に営業してきました。その努力が実を結び、徐々にお客様から信頼していただけるようになってきたと感じています。

土肥氏●では17年以降の市場の動向や展望をお伺いしたいのですが、まず4月から10kW以上の買取り価格が24円から21円に減額されます。さらに、改正FIT法が施行され、特高案件では入札制度が導入される方向です。コスト競争が激化し、厳しい市場になるのではないかという予測がありますが、私はそれほど悲観していないのです。確かに、土地代や土地造成費、系統連系費はなかなか下がらないにしても、設備費や施工費は昨年かなり安くなりました。売電単価が21円に減額されても、事業性は充分見込めると思うからです。
 もちろん、発電事業の利回りは多少下がるでしょうから、高利を求める事業者さんは離れていくかもしれません。ただ、再生可能エネルギーの普及に対して確固とした理念をお持ちの方はまだまだいらっしゃいます。ですから、私は17年も太陽光発電所の新規開発は続くと見ています。東さんはどのように見ていらっしゃいますか。

東氏●私も同意見です。当初は、15年がピークで、16年から17年にかけて一気に冷え込むのではないかと懸念していたのですが、改正FIT法の趣旨が把握できるようになって、当面は高水準の市場が続くと見ています。やはり昨夏から太陽光発電システムのコストが下がりましたから。売電単価が21円に下がっても、まだまだ開発が進みそうだなという印象です。

土肥氏●16年はEPC(設計・調達・建設)の領域でも、熾烈な競争がありましたから、コストが下がりました。つまり、インフラビジネスとして競争力を磨ける環境が日本にあったということです。導入初期にバブルが起こり、短期的に市場が創出され、改正FIT法へと移行することによって、次は競争力を磨ける市場が創り出されています。この傾向は企業にとってもよい状況ではないかと思います。
 では、貴社は17年以降、日本市場でどのように展開されていかれるおつもりですか。

東氏●市場価格は厳しくなるでしょうから、しっかりと対応していきますし、そのほか細かい修正点は色々ありますが、基本路線は変わりませんよ。
 ただ、長期を見据えれば、色々と策を練る必要はあると思います。市場では様々な変化が起こるでしょうから。たとえば、自家消費利用がそのひとつです。買取り価格が下がり、設備コストが下がり、さらに蓄電池のコストまで下がってくると、当然ながら自家消費や独立電源のニーズが高まってくるでしょうから、そこに向けてパネルメーカーとしてどのようなポジションを築くべきか。先を見据えて取り組んでいかなければならないと思います。

土肥氏●制度や市場の変化に合わせて柔軟に対応していく必要はありますが、商売の基本というものは、ある意味、普遍性があって、それほど変わらないと思います。お客様のニーズがあって、自社の製品やサービスがあって、それを他社との競争のなかで、どう魅力を提示し、選んでいただくかということですから。貴社は、その基本が土台としてしっかりされているので強いのでしょうね。
 東さんが先ほどおっしゃられた3点目の勝因というのが、実は非常に重要だと思います。コストがここまで下がってくると、商品力、ブランド力にそれほど差がなくなってきますから、最後は商習慣を理解し、きめ細かい対応やサービスの部分で差別化を図っていくことになるのだと思います。

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション株式会社
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